よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (68 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

表1 目標とする BMI の範囲(18 歳以上)1,2
年齢(歳)

目標とする BMI
(kg/m2)

18~49

18.5~24.9

50~64

20.0~24.9

65~74 3

21.5~24.9

75 以上 3

21.5~24.9

1

男女共通。あくまでも参考として使用すべきである。
上限は総死亡率の低減に加え、主な生活習慣病の有病率、医療費、高齢者及び労働者の身体機能低下との関連を考慮して定めた。
3
総死亡率をできるだけ低く抑えるためには下限は 20.0 から 21.0 付近となるが、その他の考慮すべき健康障害等を勘案して 21.5
とした。
2

3-3 重症化予防
3-3-1 発症予防との違い
既に何らかの疾患を有する場合は、その疾患の重症化予防を他の疾患の発症予防よりも優先させる
必要がある場合が多い。この場合は、望ましい体重の考え方もその値も優先させるべき疾患によって
異なる。
3-3-2 食事調査の過小評価を考慮した対応の必要性
前述(『Ⅰ 総論、4 活用に関する基本的事項、4-2 食事評価と留意点』を参照)のように、種々の
食事調査は、日間変動による偶然誤差のほか、系統誤差として過小・過大申告の影響を受け、集団レ
ベルでは実際のエネルギー摂取量を過小評価するのが一般である。食事指導においても、指導を受け
る者に同等の過小評価が生じている可能性を考慮した対応が必要である。
3-3-3 減量や肥満の是正への考え方
高血圧、高血糖、脂質異常の改善・重症化予防に、減量や肥満の是正が推奨されている。これらの
生活習慣病の重症化予防における目標 BMI は必ずしも、総死亡率により定義した BMI 範囲と一致し
ない。生活習慣改善(食事や運動)の介入研究においては、目標 BMI に達していなくても、一定の体
重減少率により生活習慣病関連指標が改善することが知られている 36)。高血圧患者に関するメタ・ア
ナリシスでは約 4 kg の減量により、収縮期で-4.5 mmHg、拡張期で-3.2 mmHg の血圧降下があると報
告されている 37)。内臓脂肪の減少と血糖(糖尿病患者を除く)、インスリン感受性、脂質指標、血圧
の改善の関係を見ると、指標の有意な改善を認めた研究における内臓脂肪の減少率は平均 22~28%、
体重減少率で 7~10%に相当する 38)。さらに、特定保健指導の終了者 3,480 人を対象にした検討では、
指導後 6 か月で 3%以上の体重減少を認めた者では、特定健診の全ての健診項目の改善が認められた
39)。肥満者においては、目標とする BMI への減量を長期的な目標としつつ、上記のような軽度の減量

をまずは達成し、それをリバウンドなく維持することが重症化予防の観点では望ましい。

58