「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (30 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
●国民の栄養素摂取状態に関するデータ
国民の栄養素摂取状態を反映していると考えられる代表的な研究論文を引用し、適切な論文がない
場合には、公表された直近の国民健康・栄養調査結果で安定したデータを用いた値として、平成 30・
令和元年国民健康・栄養調査のデータ 22)を引用する。この引用に関しては参考文献番号を付さない。
なお、食事記録法を含むほとんどの食事調査法に過小申告が存在することが報告されている。これ
については後述するが、その過小評価がどの程度であるのかは、まだ十分には明らかでない。このこ
とに十分留意するとともに、今後、この点について詳細な検証が必要である。
●研究結果の統合方法
研究結果の統合方法については、表7に示す方針に沿って行った。
表7 研究結果の統合方法に関する基本的方針
研究の質
日本人を対象とした研究の有無
統合の基本的な考え方
日本人を対象とした研究が存在する場合
日本人を対象とした研究結果を
優先して用いる
日本人を対象とした研究が存在しない場合
全体の平均値を用いる
日本人を対象とした質の高い研究が存在する
場合
日本人を対象とした研究結果を
優先して用いる
比較的均一な場合
研究によって大きく
異なる場合
日本人を対象とした研究が存在するが、全体
の中で、相対的に質が低い場合
質の高い研究を選び、その平均値
を用いる
日本人を対象とした研究が存在しない場合
●通常の食品以外の食品を用いた介入研究の取扱い
通常の食品から摂取できる量を著しく超えて摂取することによって、何らかの生活習慣病等の発症
予防を期待できる栄養素が存在し、その効果を検証するために通常の食品以外の食品を用いた介入研
究が行われることがある。しかしながら、ある一定の好ましい効果が報告された後に、別の好ましく
ない健康影響を惹起する可能性があると報告された例も存在する 23)。そのため、通常の食品以外の食
品から大量に特定の栄養素を摂取することが妥当か否かに関しては、慎重な立場をとるべきであると
考えられる。
したがって今回の策定では、通常の食品の組合せでは摂取することが明らかに不可能と判断される
量で行われた研究や、食品ではなく医薬品扱いの製品を投与した研究については、原則として数値の
算定には用いないこととしたが、そのような研究の報告も数値の算定に当たり参考資料として用いる
ことを目的として、検索・収集・読解作業の対象とした。
20