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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (459 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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第二の目的は、CKD を治療することによって、CKD 患者に発症頻度が高い心筋梗塞や脳卒中など
の心血管系疾患の発症・重症化を抑制することである。
第三の目的は、CKD によって生じる貧血や慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-mineral and
bone disorder:CKD-MBD)などの合併症を防ぐことである。CKD が進行すると、高カリウム血症、ア
シドーシス、体液量の異常、高リン血症、尿毒症などの異常が生じる。これらに対しても食事療法や
薬物療法により対処することが必要である。
CKD の重症化予防において、栄養・食事指導は重要な役割を担っており、「エビデンスに基づく
CKD 診療ガイドライン 2023」では、第 8 章「栄養」において、CKD のステージ進行を抑制するため
に管理栄養士が介入することや、たんぱく質や食塩の摂取量を制限することが、推奨されている 1)。
日本腎臓学会による「慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版」では、ステージによる食事療
法基準が示されている 6)。CKD の進行とともにエネルギーやたんぱく質などの摂取基準値は異なって
いる。また、日本腎臓学会による「サルコペニア・フレイルを合併した保存期 CKD の食事療法の提
言」では、サルコペニア・フレイルを合併した場合の食事療法の基準が記載されている 7)。
本項では、おおむね軽症といえるステージ G1~G3a までを対象として述べる。なお、ステージ G3b
以降については、日本腎臓学会のガイドラインを参照されたい 1,6,7)。

2 CKDと特に関連の深いエネルギー・栄養素
栄養素等の摂取と CKD の重症化との関連について、特に重要なものを図1に示す。CKD は、高血
圧、脂質異常症及び糖尿病に比べると、栄養素等摂取量との関連を検討した研究は少なく、結果も一
致していないものが多い。また、重症度によって栄養素等摂取量との関連が異なる場合もあることに
留意が必要である。

※ 矢印は、すべて正の関連

高血圧

ナトリウム(食塩)
たんぱく質
リン

高血糖

慢性腎臓病
(CKD)

炭水化物
エネルギー
脂質

肥満
脂質異常

高血圧・脂質異常症・糖尿病に比べると栄養素等摂取量との関連を検討した研究は少なく、結果も
一致していないものが多い。また、重症度によって栄養素等摂取量との関連が異なる場合もある。
この図はあくまでも栄養素等の摂取と慢性腎臓病(CKD)の重症化との関連の概要を理解するた
めの概念図として用いるに留めるべきである。

図1 エネルギー・栄養素摂取と慢性腎臓病(CKD)の重症化との関連(重要なもの)

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