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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (377 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2-2 乳児・小児
1 基本的事項
ライフステージの初期においては、胎内での栄養状態や母乳からの各種栄養素の摂取も含めた乳児
期及び成長期における栄養状態について、特段の配慮を行う必要がある。
乳児・小児についての食事摂取基準は、各栄養素の項において策定の根拠及び値を記述している。
ここではその要点を整理した。

2 乳児
推定平均必要量や推奨量を決定するための臨床研究は容易ではない。また、健康な乳児が摂取する
母乳の質と量は乳児の栄養状態にとって望ましいものと考えられる。このような理由から、乳児にお
ける食事摂取基準は、目安量を算定するものとし、具体的には、母乳中の栄養素濃度と健康な乳児の
哺乳量との積とした。
生後 6 か月以降の乳児では、乳汁(母乳又は人工乳)の摂取量が徐々に減り、離乳食の摂取量が増
えてくることから、6~8 か月、9~11 か月(又は 6~11 か月)の月齢区分で、主要な栄養素及び一部
のミネラルについては母乳及び離乳食からの摂取量データを検討した。しかし、この集団における摂
取量データは限られていることから、他の栄養素については 0~5 か月児及び(又は)1~2 歳の小児
の値から外挿して求めた(『Ⅰ総論、3 策定の留意事項』の 3-5 を参照)。

2-1 乳児期の哺乳量
生後 0 日目~5 か月の乳児の栄養は、100%乳汁に依存する。この時期の哺乳量に関しては、日本人
の食事摂取基準(2020 年版)の策定に用いた論文 1,2)以降、新たな論文は見当たらない。したがって、
日本人の食事摂取基準(2020 年版)で用いた基準哺乳量である 0.78 L/日を変更せずに、同じ値を用い
た。
また、離乳開始後に関しても、日本人の食事摂取基準(2020 年版)以降、新たな論文は見られない
ことより、2020 年版と同じ値を用いた。すなわち、離乳開始後(6~8 か月、9~11 か月)の期間につ
いては、それぞれ 0.60 L/日、0.45 L/日を哺乳量とした 3,4)。なお、6~11 か月を 1 つの区分とした場合
には、6~8 か月及び 9~11 か月の哺乳量の平均値である 0.53 L/日とした。

2-2 母乳中の栄養素濃度
日本人の母乳中の各栄養素の含量についての報告は、比較的多い。ただし、母乳のサンプリングの
バイアス、測定データのばらつき、測定方法や精度の問題などから、単一の研究報告から栄養素を網
羅的に記載し得るデータはない。そのため、栄養素ごとの検討において、より適当と考えられる母乳
中の濃度を採用することとした。なお、各栄養素について採用されたデータ 4–35)の一覧を表1に整理
した。しかし、比較的古いデータが多く、最近の食生活を反映した母乳栄養素組成の研究が必要と考
えられる。

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