「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (48 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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は、今回提示した目標とする BMI の範囲を目安とする。ただし、たとえこの範囲にあっても、体重が
増加傾向又は減少傾向にある場合は、エネルギー収支バランスが正又は負になっていることを示すた
め、このことに留意して適切に対応することが必要である。
乳児及び小児のエネルギー摂取量の過不足の評価には、成長曲線(身体発育曲線)を用いる。体重
や身長を計測し、成長曲線(身体発育曲線)のカーブに沿っているか、体重増加が見られず成長曲線
を大きく下回っていないか、成長曲線を大きく上回るような体重増加がないかなど、成長の経過を縦
断的に観察する。
栄養素摂取量の評価には、基本的には食事調査の結果(測定された摂取量)を用いる。ただし、食
事調査法に起因する測定誤差(特に過小申告・過大申告と日間変動)が、結果に及ぼす影響の意味と
その程度を、十分に理解して評価を行うことが必要である。個人においては、日間変動が評価に与え
る影響が特に大きい点に留意する。
栄養素の摂取不足の回避を目的とした評価を行う場合には、推定平均必要量と推奨量を用いる。推
定平均必要量が算定されていない場合は、目安量を用いる。測定された摂取量と推定平均必要量及び
推奨量から不足の確率を推定する。推奨量付近か推奨量以上であれば不足のリスクはほとんどないと
判断される。推定平均必要量以上であるが推奨量に満たない場合は、推奨量を目指すことが勧められ
る。ただし、他の栄養素の摂取状態なども考慮し、総合的に判断する。推定平均必要量未満の場合は
不足の確率が 50%以上あるため、摂取量を増やすための対応が求められる。目安量を用いる場合は目
安量と測定値を比較し、目安量以上を摂取していれば不足のリスクはほとんどないものと判断される。
一方、摂取量が目安量未満であっても、目安量の定義から理解されるように、不足のリスクを推定す
ることはできない。
栄養素の過剰摂取の回避を目的とした評価を行う場合には、耐容上限量を用いる。測定された摂取
量が耐容上限量を超えている場合には、過剰摂取と判断する。
生活習慣病等の発症予防を目的とした評価を行う場合には、目標量を用いる。目標量は範囲で示さ
れているものがあるため、目標量の特徴を考慮して、測定された摂取量との比較を行う。なお、生活
習慣病等には多数の原因があり、その複合的な結果として疾患が発症するため、ある種類の栄養素の
結果だけを過大に重要視することは避けなければならない。対象とする生活習慣病等の中で対象とす
る栄養素がどの程度、相対的な重要度を有しているのかを理解した上で、総合的な評価を行うことが
勧められる。
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