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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (78 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2-3-2-3 成人
健康な日本人の成人(20~59 歳、150 人)で測定したエネルギー消費量と推定基礎代謝量から求め
た身体活動レベル 70)を用いて身体活動レベル基準値を定めた。すなわち、男女それぞれの身体活動レ
ベルから全体の身体活動レベルを求めると 1.72 ± 0.26 となり、「ふつう」に相当する 63 人では 1.74
± 0.26 であった(いずれも平均値±標準偏差)。これを基に、身体活動レベル(カテゴリー)の「低
い」「ふつう」「高い」の身体活動レベル基準値(およその範囲)はそれぞれ 1.50(1.40~1.60)、1.75
(1.60~1.90)、2.00(1.90~2.20)とした(表5)。
表5 身体活動レベル(カテゴリー)別にみた活動内容と活動時間の代表例
身体活動レベル
(カテゴリー)
身体活動レベル基準値 1

日常生活の内容 2

低い

ふつう

高い

1.50

1.75

2.00

(1.60~1.90)

(1.90~2.20)

(1.40~1.60)
生活の大部分が座位
で、静的な活動が中
心の場合

座位中心の仕事だが、職場内 移動や立位の多い仕事
での移動や立位での作業・接 への従事者、あるいは、
客等、通勤・買い物での歩行、 スポーツ等余暇におけ
家事、軽いスポーツのいずれ る活発な運動習慣を持
かを含む場合
っている場合

中程度の強度(3.0~5.9 メッツ)
の身体活動の 1 日当たりの合計
時間(時間/日)3

1.65

2.06

2.53

仕事での 1 日当たりの合計歩行
時間(時間/日)3

0.25

0.54

1.00

1

代表値。( )内はおよその範囲。
参考文献 70,71 を参考に、身体活動レベルに及ぼす仕事時間中の労作の影響が大きいことを考慮して作成。
3
参考文献 72 による。
2

2-3-2-4 高齢者
成人の中でも高齢者は、他の年代に比べて身体活動レベルが異なると考えられる。平均年齢が 60 歳
以上の高齢者集団において身体活動レベルを測定した 32 の論文を参考にして、65~74 歳並びに 75 歳
以上における身体活動レベル(代表値)を次のようにして定めた(詳細は参考文献 73 を参照のこと)。
平均年齢が 60~74 歳の集団を対象とした 27 集団のデータを用い、集団を身体活動レベルでおよそ
1:2:1 に 3 分割し、それぞれの平均身体活動レベルを求めると、1.61、1.72、1.93 となった。また、
身体活動レベルの平均値、標準偏差が示されている 23 集団で平均値、標準偏差を合成すると 1.70±
0.25 であった。そこで、74 歳以下の身体活動レベルの代表値を 1.70 とし、身体活動量で集団を 3 群
に分けた検討 74)も参考にして、表4のように、「低い」「ふつう」「高い」についてそれぞれ 1.50、
1.70、1.90 とした。
次に、平均年齢が 75 歳以上の集団を対象とした 23 集団のデータを用い、集団を身体活動レベル
で 2 分割し、それぞれの平均身体活動レベルを求めると、1.44、1.71 となった。3 分割ではなく、2 分
割した理由は、この年齢に関する報告は、自立している者と外出できない者の 2 つに大別され、身体
活動レベル(カテゴリー)が「高い」に相当する者が想定しづらい年齢層でもあったためである。こ
のため、75 歳以上については、身体活動レベル(カテゴリー)は「低い」と「ふつう」のみとし、そ
れぞれ 1.40 と 1.70 とした(表4)。身体活動レベル(カテゴリー)の「低い」は、自宅にいてほとん
ど外出しない者を念頭に置いているが、高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている者にも適用でき
る値である。
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