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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (219 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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・高齢者(推定平均必要量、推奨量)
葉酸(folate)の消化管吸収率は、加齢の影響を受けないと報告されている 99)。また、葉酸(folate)
の生体利用パターンは若年成人とほぼ同様であると考えられる 100)。これらの結果より、65 歳以上で
も成人(18~64 歳)と同じ値とした。
・小児(推定平均必要量、推奨量)
小児については、成人(18~29 歳)の値を基に体重比の 0.75 乗を用いて推定した体表面積比と、
成長因子を考慮した次式、(対象年齢区分の参照体重/18~29 歳の参照体重)0.75×(1+成長因子)を
用いて算定した。推奨量は推定平均必要量に推定量算定係数 1.2 を乗じた値とした。男女間で計算値
に差異が認められた場合は、低い方の値を採用した。
・妊婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
妊娠の初期には赤血球葉酸濃度は適正に維持されていることから 101)、妊娠の初期には付加量を設
定しなかった。
一方、妊娠の中期及び後期において、赤血球葉酸濃度が減少し 101)、葉酸代謝産物の尿中排泄量が
増大する 102)。通常の適正な食事摂取下で 100 µg/日の葉酸(folic acid)を補足すると、妊婦の赤血球
中葉酸濃度を 400 nmol/L 以上に維持することができたとする報告がある 102,103)。この報告によると、
約 70%の妊婦が 305 nmol/L 以上の赤血球中葉酸濃度を示した 102)。100 µg/日の葉酸(folic acid)の補
足は、半数以上の妊婦の葉酸栄養状態を適正に維持できたが、ほとんどの妊婦を満たすには至らなか
ったため、推奨量ではなく推定平均必要量に該当するとみなした。上述の相対生体利用率(50%)を
考慮すると、葉酸(folic acid)100 µg/日は葉酸(folate)200 µg/日に換算される。この 200 µg/日を妊
婦(中期及び後期)の推定平均必要量の付加量とした。推奨量の付加量は、推定平均必要量に推奨量
算定係数 1.2 を乗じて、240 µg/日とした。
・授乳婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
授乳婦の推定平均必要量の付加量は、母乳中の葉酸濃度(54 µg/L)7–9,104)に 0~5 か月児の乳児の基
準哺乳量(0.78 L/日)10,11)を乗じ、上述の相対生体利用率(50%)を考慮して算定(54 µg/L×0.78 L/日
÷0.5)すると 84 µg/日となり、丸め処理を行って 80 µg/日とした。推奨量の付加量は推奨量算定係数
1.2 を乗じると 101 µg/日となり、丸め処理を行って 100 µg/日とした。
3-1-2 目安量の策定方法
・乳児(目安量)
0~5 か月の乳児の目安量は、母乳中の葉酸濃度(54 µg/L)7–9,104)に基準哺乳量(0.78 L/日)10,11)を乗
じると 42 µg/日となるため、丸め処理をして 40 µg/日とした。
6~11 か月児の目安量は、2 つの方法による外挿値の平均値とした。具体的には、0~5 か月児の目
安量及び 18~29 歳の推奨量それぞれから 6~11 か月児の目安量算定の基準となる値を算出した。次
に、男女ごとに求めた値を平均し、男女同一の値とした後、丸め処理をして、70 µg/日を男女共通の
目安量とした。なお、外挿はそれぞれ以下の方法で行った。

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