「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (371 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
妊婦の適正な付加量に関する明確なデータはないが、新生児の壊血病を防ぐことができたといわれ
ている摂取量を参考に設定した 20)。
2-4-7 マグネシウム
妊婦に対するマグネシウムの出納試験の結果 21)を基に、妊娠時の除脂肪体重増加量 22)から除脂肪
体重 1 kg 当たりのマグネシウム含有量 23)を求め、この時期のマグネシウムの見かけの吸収率を加味
して設定した。
2-4-8 鉄
妊娠期に必要な鉄は、基本的損失に加え、①胎児の成長に伴う鉄貯蔵、②臍帯・胎盤中への鉄貯蔵、
③循環血液量の増加に伴う赤血球量の増加による鉄需要の増加があり、それぞれ、妊娠の初期、中期、
後期によって異なることから、それぞれの必要量の合計値を求め、吸収率を加味して設定した。
2-4-9 亜鉛
妊娠中期以降に、妊娠に伴う亜鉛の必要量を補うことが必要と考え、妊娠期間中の亜鉛の蓄積量に、
吸収率を加味して設定した。
2-4-10 銅
アメリカ・カナダの食事摂取基準における胎児の銅保有量 24)を基に、安定同位体を用いて行われた
研究によって得られた銅の吸収率 25)の代表値を加味して設定した。
2-4-11 ヨウ素
新生児の甲状腺内ヨウ素量に、その代謝回転(ほぼ 100%/日)26)を加味して設定した。
2-4-12 セレン
セレンの栄養状態が適切であれば、体重 1 kg 当たりのセレン含有量は約 250 µg と推定されている
ことから 27)、出生時体重の平均値である約 3 kg の胎児に、胎盤(胎児の約 6 分の 1 の重量)を合わ
せた約 3.5 kg に対して必要なセレン量と、妊娠中に生じる血液増加に伴って必要となるセレン量を合
わせた量に、食事中セレンの吸収率を加味して設定した。
361