「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (53 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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直線:y=x
推定平均
必要量
100
④
⑤
③
50
⑥
②
①
0
0
50
100
推定平均
必要量
x:摂取量
図 17 集団における食事評価を行うための方法(カットポイント法)の概念
個人が自分の必要量を知り得ないと仮定すると、集団における摂取量と必要量の関連はない。この仮定はエネルギーを除いて成り
立つものと考えられる。次に、摂取量と必要量のそれぞれの分布が共に正規分布に従うと仮定し、摂取量の平均値が推定平均必要
量付近にあると仮定すると、不足している者は直線 y=x と y 軸で囲まれた部分に存在し、不足していない(充足している)者は
直線 y=x と x 軸で囲まれた部分に存在することになる。さらに、x=推定平均必要量と y=推定平均必要量という直線を加える
と、全ての領域は 6 つ(①~⑥)に分かれる。すなわち、不足している者は領域④+⑤+⑥に存在する。ところで、領域①と領域
④に存在する人数はほぼ同じになると考えられるため、不足している人数は領域①+⑤+⑥に等しい。これは、摂取量が推定平均
必要量に満たない者の人数に他ならない。
なお、カットポイント法では、集団における特定の誰が必要量を満たしているのか、あるいは、満たしていないのかを判定できな
いことに留意しておく必要がある。
4-4-3-3 食事改善の計画と実施
集団の食事改善を目的とする、食事摂取基準を活用した食事改善の計画と実施の概要を図 18 に示
す。
〔食事評価〕
〈エネルギー摂取の過不足の評価〉
BMI *の分布から、目標とする範囲外にあ
る者の割合を算出
〔食事改善の計画と実施〕
BMIが目標とする範囲に留まる者の割合を
増やすことを目的に立案
*成人の場合
〈栄養素の摂取不足の評価〉
摂取量の分布から、推定平均必要量を下回
る者の割合を算出。摂取量の中央値と目安
量を比較することで不足していないことを
確認
推定平均必要量を下回って摂取している者
の割合をできるだけ少なくすること、目安
量付近かそれ以上であればその摂取量を維
持することを目的に立案
〈栄養素の過剰摂取の評価〉
摂取量の分布から、耐容上限量を上回る者
の割合を算出
集団内のすべての者の摂取量が耐容上限
量を超えないことを目的に立案
〈生活習慣病等の予防を目的とした評価〉
摂取量の分布から、目標量を用いて、目標
量の範囲を逸脱する者の割合を算出
目標量(又は範囲)を逸脱して摂取して
いる者の割合を少なくすることを目的に
立案
図 18 食事改善(集団)を目的とする食事摂取基準を活用した食事改善の計画と実施
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