「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (64 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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摂取量
消費量
食事調査
二重標識水法
基礎代謝量
身体活動レベル (PAL)
推定式 (基礎代謝量、PAL、性、
年齢、身長、体重を用いるもの)
推定エネルギー必要量
体重の変化、体格 (BMI)
図2 エネルギー必要量を推定するための測定法と体重変化、体格(BMI)、
推定エネルギー必要量との関連
3 体重管理
3-1 体重管理の基本的な考え方
身体活動量が不変であれば、エネルギー摂取量の管理は体格の管理とほぼ同等である。したがって、
体格を測定し、その結果に基づいてエネルギー摂取量や供給量を変化させることが望ましい。年齢や
性別、身体活動量で規定される特定集団にとって望ましい体格を、個人にとって望ましい体格として
管理に用いる。望ましい体格として、成人では死因を問わない死亡率(総死亡率)が最低になる体格
(BMI)を用いる。BMI を用いることで、身長の違いも考慮した体重管理が行える。体脂肪量や除脂
肪量(主として筋肉)などの体組成は BMI と独立して総死亡率に影響する。また、内臓脂肪量とその
推定因子である腹囲や腹囲・身長比の方が BMI よりも強い総死亡率の予測因子という報告がある 5,6)。
しかし、研究成果の蓄積の豊富さや、最も基本的な体格指数という観点から、望ましい体格には BMI
を用いる。なお、乳児・小児では、該当する性・年齢階級の日本人の身長・体重の分布曲線(成長曲
線)を用いている。
高い身体活動は肥満の予防や改善の有用な方法の 1 つであり 7)、不健康な体重増加を予防するには
身体活動レベルを 1.7 以上とすることが推奨されている 8)。また、高い身体活動は、体重とは独立し
て総死亡率の低下に関連することも明らかにされている 9,10)。体重増加に伴う生活習慣病の発症予防
及び重症化予防の観点からは、身体活動レベル(カテゴリー)が「低い」ことは望ましい状態とは言
えず、身体活動量の高い状態でエネルギー収支バランスを保ちつつ望ましい BMI を目指す必要があ
る。一方、高齢者については、低い身体活動レベルは摂取できるエネルギー量の減少を招き、各種栄
養素の不足を来しやすくする 11)。身体活動量と骨格筋量の維持や増加により、高いレベルのエネルギ
ー消費量と摂取量のバランスを維持しつつ望ましい BMI を目指すことが望ましい。
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