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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (429 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2 脂質異常症と特に関連の深いエネルギー・栄養素
栄養素等摂取と脂質異常症との関連について、特に重要なものを図1に示す。

(+)

脂質

* 脂質異常症

(+)
エネルギー

飽和脂肪酸
多価飽和脂肪酸

食事性コレステロール

(+)
肥満
(+)

**

(ー)
(+)
(ー)

炭水化物

水溶性食物繊維

高LDL
コレステロール
血症

(+)

低HDL
コレステロール
血症

糖質
(+)
アルコール

(+)


トリグリセライド
血症

たんぱく質

*肥満を介する経路と介さない経路がある。
**飽和脂肪酸と置き換えることによって低下させる。
この図はあくまでも概要を理解するための概念図として用いるに留めるべきである。

図1 エネルギー・栄養素摂取と脂質異常症との関連(特に重要なもの)

2-1 高コレステロール血症、高LDL-コレステロール血症
高コレステロール血症、高 LDL-コレステロール血症に関連する栄養素は数多く知られているが、
発症予防及び重症化予防の観点から重視すべきものは、脂質の摂取量、特に飽和脂肪酸やコレステロ
ールの過剰摂取である。また、水溶性食物繊維摂取量との負の関連が知られている。以下、これらに
ついて個々に述べる。
2-1-1 総エネルギー、脂質(脂肪エネルギー比率)
エネルギーの過剰摂取(身体活動レベルが不足していることにより、相対的にエネルギーの過剰摂
取となっている場合を含む。)によって体重増加及び肥満が進行し、その結果として脂質異常症を含
む代謝異常のリスクが上昇する 2,3)。総エネルギーを減らすだけで動脈硬化性疾患の抑制を示す直接
的なエビデンスはない。しかし、減量を含めた生活改善は血清脂質を含むリスク因子の改善に有効で
あり、動脈硬化性疾患の発症を抑制できる可能性が考えられる。このため、「動脈硬化性疾患予防ガ
イドライン 2022 年版」では、肥満の場合は、まず 3%の体重減少を目標とすることとしている 1)。た
んぱく質・脂質・炭水化物の摂取エネルギー比率(%エネルギー)からみると、コホート研究のメタ・
アナリシスにおいては炭水化物が 50~55%エネルギーで総死亡リスクが最低となり、低炭水化物ある
いは高炭水化物食は総死亡リスクを上昇させ、低炭水化物食でも動物性脂質が多いものは総死亡リス
クの上昇、植物性脂質が多いものは総死亡のリスクを低下させることが認められている 4)。

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