「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (232 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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・乳児(目安量)
0~5 か月児は、母乳中のビタミンC濃度(50 mg/L)8,9)に基準哺乳量(0.78 L)10,11)を乗じ、丸め処
理を行って 40 mg/日とした。
6~11 か月児の目安量は、2 つの方法による外挿値の平均値とした。具体的には、0~5 か月児の目
安量及び 18~29 歳の推奨量それぞれから 6~11 か月児の目安量算定の基準となる値を算出した。次
に、男女ごとに求めた値を平均し、男女同一の値とした後、丸め処理をして、40 mg/日を男女共通の
目安量とした。なお、外挿はそれぞれ以下の方法で行った。
・0~5 か月児の目安量からの外挿
(0~5 か月児の目安量)×(6~11 か月児の参照体重/0~5 か月児の参照体重)0.75
・18~29 歳の推奨量からの外挿
(18~29 歳の推奨量)×(6~11 か月児の参照体重/18~29 歳の参照体重)0.75
×(1+成長因子)
3-2 過剰摂取の回避
3-2-1 摂取源となる食品
通常の食品で可食部 100 g 当たりのビタミンC含量が 100 mg を超える食品が少し存在するが、通
常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告は見当たらない。
3-2-2 耐容上限量の策定
健康な者がビタミンCを過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加するこ
とから 136,137,150)、ビタミンCは広い摂取範囲で安全と考えられている 149)。したがって、耐容上限量は
設定しなかった。
ただし、腎機能障害を有する者が数 g のビタミンCを摂取した条件では、腎蓚酸結石のリスクが高
まることが示されている 151,152)。ビタミンCの過剰摂取による影響として最も一般的なものは、吐き
気、下痢、腹痛といった胃腸への影響である。1 日に 3~4g のアスコルビン酸を与えて下痢を認めた
報告がある 149)。
ビタミンCの摂取量と吸収や体外排泄を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取
することを基本とし、通常の食品以外の食品から 1 g/日以上の量を摂取することは推奨できない
136,137,153)。
3-3 生活習慣病の発症予防
ビタミンC摂取量と糖尿病、脂質異常症、高血圧の発症率、慢性腎臓病の発症率との関連について、
観察研究及びコホート研究による報告が複数ある。ビタミンC摂取量の多い集団の方が少ない集団よ
りも発症リスク等が低いという報告 154–156)、関連が認められないという報告 157–159)が混在している。
以上より、ビタミンCの積極的な摂取と生活習慣病の発症予防の関連については不明な点が多いこと
から、目標量を設定しなかった。
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