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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (231 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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3-1-2 推定平均必要量、推奨量の策定方法
・成人(推定平均必要量、推奨量)
上述のように、血漿アスコルビン酸濃度を 50 µmol/L に維持すれば、体内飽和に近く、不足になる
リスクが低い良好なビタミンCの栄養状態に維持することができると考えられる。ビタミンC摂取量
と血漿アスコルビン酸濃度との関係を報告した介入研究において 136,137)、血漿アスコルビン酸濃度を
50 µmol/L に維持する成人の摂取量は 70~90 mg/日であり、この摂取量における血漿アスコルビン酸
濃度の個人差は小さい。また、観察研究によってビタミンC摂取量と血漿アスコルビン酸濃度との関
係を報告した 36 の論文(対象は 15~96 歳)のメタ・アナリシスを用いると 145)、血漿アスコルビン
酸濃度を 50 µmol/L に維持する成人の摂取量は 83 mg/日である。そこで、丸め処理を行い、80 mg/日
を推定平均必要量とした。推奨量は、推定平均必要量に推奨量算定係数 1.2 を乗じて、これを丸め、
100 mg/日とした。参考としたデータが男女の区別なくまとめられていたため 145)、男女差を考慮しな
いこととした。
・高齢者(推定平均必要量、推奨量)
上述のメタ・アナリシス 145)では、成人を用いた研究と高齢者を用いた研究に分けた検討も行って
おり、同じ血漿アスコルビン酸濃度に達するために必要とする摂取量は前者に比べて後者で高いこと
が示されている。そのため、高齢者では、それ未満の年齢に比べて多量のビタミンCを必要とする可
能性があるが、値の決定が困難であったため、65 歳以上でも 65 歳未満の成人と同じ量とした。
・小児(推定平均必要量、推奨量)
成人(18~29 歳)の値を基に、体重比の 0.75 乗を用いて推定した体表面積比と成長因子を考慮し
た次式、「(対象年齢区分の参照体重/18~29 歳の参照体重)0.75×(1+成長因子)」を用いて計算
した。推奨量は、推定平均必要量に推定量算定係数 1.2 を乗じた値とした。男女間で値に差異が認め
られた場合は、低い方の値を採用した。これらの値を丸め処理を行い、それぞれの推定平均必要量及
び推奨量とした。
・妊婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
妊婦の付加量に関する明確なデータはないが、7 mg/日程度のビタミンCの付加で新生児の壊血病
を防ぐことができたということから 149)、推定平均必要量の付加量は 10 mg/日とした。推奨量の付加
量は、推定平均必要量の付加量に推奨量算定係数 1.2 を乗じると 12 mg/日となり、丸め処理を行って
10 mg/日とした。
・授乳婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
授乳婦の推定平均必要量の付加量は、母乳中のビタミンC濃度(50 mg/L)8,9)に 0~5 か月児の乳児
の基準哺乳量(0.78 L/日)10,11)を乗じ、相対生体利用率(100%)3)を考慮して算定(50 mg/L×0.78 L/
日÷1.00)すると、39 mg/日となり、丸め処理を行って 40 mg/日とした。推奨量の付加量は、丸める
前の推定平均必要量の付加量に推奨量換算係数 1.2 を乗じて 46.8 mg/日となり、これを丸め処理を行
って 45 mg/日とした。

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