「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (85 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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2
2
0
1群
2群
3群
4群
5群
6群
男性
-398
-199
0
+199
+398 kcal/日
女性
-324
-162
0
+162
+324 kcal/日
図 12 アメリカ・カナダの食事摂取基準が紹介したエネルギー必要量の推定式 3)を用いて、年齢、
身長、体重、身体活動レベルが同じであると仮定したときに想定される推定エネルギー必要
量の分布(平均推定エネルギー必要量からの差として示した)
19 歳以上かつ BMI が 18.5~24.9 kg/m2 の場合の試算。
横軸は、平均推定エネルギー必要量からの差(kcal/日)。縦軸は、推定される集団内の対象者の分布(%)。
4-4 疾患を有する者
糖尿病患者の基礎代謝量は、体組成で補正した場合、耐糖能正常者に比べて差がないか 5~7%程度
高いとする報告が多い(肝臓の糖新生等によるエネルギー消費によると考えられる)97–101)。保健指導
レベルの高血糖者で検討した研究は少ないが、横断研究で睡眠時代謝量は「耐糖能正常<耐糖能異常
(impaired glucose tolerance:IGT)<糖尿病」の関連があり、同一個人の基礎代謝の継時的変化も「耐
糖能正常<IGT(+4%)<糖尿病(+3%)」であった 101)。これらの差はわずかであるため、保健指
導レベルの高血糖の者(空腹時血糖:100~125 mg/dL)では、耐糖能正常者と大きな差はないと考え
られる。また、二重標識水法により糖尿病患者のエネルギー消費量を見た研究によれば、糖尿病患者
と耐糖能正常者で、身体活動レベル及びエネルギー消費量に有意差を認めていない(図 13)(詳細は
参考文献 102 を参照のこと)。
したがって、保健指導レベルの高血糖者のエネルギー必要量は、健康な者とほぼ同じと考えて体重
管理に当たってよいものと考えられる。一方、糖尿病を含む種々の疾患を有する者のエネルギー摂取
量の設定は、それぞれの診療ガイドラインを参照することを推奨する。
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