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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (123 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2 歳児の目安量(中央値)の中間値を用いた。
0~5 か月児の目安量は、母乳中の n-6 系脂肪酸濃度(5.16 g/L)に基準哺乳量(0.78 L/日)を乗じて
求めた。
n-6 系脂肪酸:目安量(g/日)=5.16 g/L×0.78 L/日=4.02 g/日
6~11 か月児の場合は、0~5 か月児の目安量と 1~2 歳児の平成 30・令和元年国民健康・栄養調査
の摂取量の中央値(男女平均)の中間値として、以下のように求めた。
n-6 系脂肪酸:目安量(g/日)=〔4.0+(4.6+4.3)/2〕/2=4.2 g/日
・妊婦・授乳婦(目安量)
平成 30・令和元年国民健康・栄養調査では調査対象となった妊婦の人数が極めて限られており、妊
娠可能年齢に該当する妊娠・授乳をしていない女性における n-6 系脂肪酸摂取量の中央値を用いるこ
ととした。この値は 9.33 g/日であり、目安量を 9 g/日とした。
授乳婦についても同様に平成 30・令和元年国民健康・栄養調査では調査対象となった授乳婦の人数
が限られており、妊娠可能年齢に該当する妊娠・授乳をしていない女性における n-6 系脂肪酸摂取量
の中央値を用いることとした。このため、目安量を 9 g/日とした。
5-3-2 生活習慣病の発症予防
5-3-2-1 生活習慣病との関連
コホート研究をまとめたメタ・アナリシスで、リノール酸摂取が冠動脈疾患を予防する可能性が示
唆されている 33)。また、コホート研究をまとめた別のメタ・アナリシスでは、リノール酸摂取と総死
亡率、循環器疾患死亡率が負の関連を示すことが示されている 34)。一方で、n-6 系脂肪酸摂取と循環
器疾患予防との関連を検討した介入試験をまとめたメタ・アナリシスでは、両者の間に意味のある関
連を認めていない 35)。一方、上述のように、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸(現実的に n-3 系脂肪酸
よりも n-6 系脂肪酸が大部分を占める)に置き換えた場合の冠動脈疾患発症率への影響をコホート研
究で検討した結果を統合したメタ・アナリシスでは、発症率の有意な減少を報告している 15)。さらに、
2 年以上の介入研究を統合したメタ・アナリシス 16)で、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換えた
場合、循環器疾患発症率の有意な減少が観察されている。
これらは全体として、n-6 系脂肪酸が冠動脈疾患の予防に役立つ可能性を示唆しているものの、こ
れらの研究報告に基づいて目標量を算定するのは難しいと考えられる。

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