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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (322 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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・授乳婦(耐容上限量)
十分な報告がないため、授乳婦に特別な耐容上限量は設定しなかった。

3-3 生活習慣病等の発症予防
40〜79 歳の日本人男女 58,782 人を対象にして、心血管系疾患による死亡率とマンガン摂取量との
関連を検討した追跡研究は、マンガン摂取量が最も多い群(摂取量中央値 10 mg/日)は、最も摂取量
が少ない群(中央値 3.0 mg/日)に比較して、心血管系疾患による死亡リスクが低いと報告している 132)。
この研究は、女性においてマンガン摂取量が多いほど、2 型糖尿病発症が少ないともしている 133)。一
方、血漿マンガン濃度と 2 型糖尿病発症リスクとの関連を検討した別の研究では、血漿マンガン濃度
の低下と上昇のいずれもが糖尿病発症リスクを増加させており、両者の関連は U 字型であるとして
いる 134)。以上より、マンガンが生活習慣病の発症に影響を与える可能性はあるが、目標量(下限値及
び上限値)を設定するには定量的なデータが不足していると判断した。

4 生活習慣病等の重症化予防
マンガン摂取と生活習慣病の重症化予防の直接的な関連を示す報告はない。したがって、生活習慣
病の重症化予防のための量は設定しなかった。

5 活用に当たっての留意事項
穀物などの植物性食品の摂取が多い日本人のマンガン摂取量は、アメリカ人に比較してかなり高い。
このため摂取量に基づいて設定した目安量(成人男性 3.5 mg/日、女性 3.0 mg/日)は、アメリカ・カ
ナダの目安量(成人男性 2.3 mg/日、成人女性 1.8 mg/日)121)を大きく上回っている。日本人とアメリ
カ人との体格差を考慮すると、マンガン摂取量が目安量の半分程度であっても問題はないと考えられ
る。

6 今後の課題
日本人の母乳中マンガン濃度についての更なるデータが必要である。また妊娠中のマンガン摂取量
が母体や出生児に及ぼす影響を正確に評価する必要がある。

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