「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (31 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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●基本的な考え方
栄養素について食事摂取基準で用いられた 5 種類の指標(推定平均必要量、推奨量、目安量、耐容
上限量、目標量)を算定するに当たって用いられた数値は、ある限られた性及び年齢の者において観
察されたものである。したがって、性別及び年齢区分ごとに基準を設けるためには、何らかの方法を
用いてこれらの値、すなわち参照値から外挿を行わなければならない。
推定平均必要量、目安量の参照値は、1 日当たりの摂取量(重量/日)として得られることが多く、
一方、耐容上限量の参照値は体重 1 kg 当たりの摂取量(重量/ kg 体重/日)として得られることが多
い。そのため、個別に外挿方法を定めることにした。
推奨量は、まず、推定平均必要量の参照値から外挿して性・年齢区分別の推定平均必要量を求め、
次に、外挿された各推定平均必要量に推奨量算定係数を乗じて算定した。目標量の場合は、まず、現
段階で理想的と考えられる摂取量から外挿して性・年齢区分別に理想的な摂取量を求め、次に、外挿
された性・年齢区分別の理想的な摂取量と性・年齢区分別摂取量の中央値とを用いて、その性・年齢
区分別の目標量を算定した。
●推定平均必要量と目安量
栄養素の特性を考慮した外挿方法を決定することは困難である。そこで、エネルギー代謝効率と体
表面積の間に高い相関があることに着目し、さらに、身長及び(又は)体重から体表面積を推定する
式を考案し、それを用いることが広く行われてきた 24)。身長及び(又は)体重から体表面積を推定す
る式は多数提案されているが、今回の策定では、1947 年に提唱された体重比の 0.75 乗を用いる方法
を採用した 25)。この方法は更に詳細な検討が行われ、哺乳動物の循環器及び呼吸器重量の推定を含む
各種生物の器官重量の推定に有用であると報告されている 26)。
そこで、成人と小児については次のように考えることとした。
推定平均必要量又は目安量の参照値が 1 日当たりの摂取量(重量/日)で与えられ、参照値が得られ
た研究の対象集団における体重の代表値(中央値又は平均値)が明らかな場合は、
X= X0×(W/W0)0.75×(1+G)
を用いて外挿した。ただし、
X :求めたい性・年齢区分の推定平均必要量又は目安量(1 日当たり摂取量)
X0 :推定平均必要量又は目安量の参照値(1 日当たり摂取量)
W :求めたい性・年齢区分の参照体重
W0 :推定平均必要量又は目安量の参照値が得られた研究の対象集団の体重の代表値(平均値又は中央値)
G :成長因子(数値は表8を参照のこと)
である。
研究によっては、推定平均必要量又は目安量の参照値が、体重 1 kg 当たりで与えられている場合が
ある。この場合には、
X= X0×W×(1+G)
を用いて外挿した。ただし、
X :求めたい性・年齢区分の推定平均必要量又は目安量(1 日当たり摂取量)
X0 :推定平均必要量又は目安量の参照値(体重 1 kg 当たり摂取量)
W :求めたい性・年齢区分の参照体重
G :成長因子(数値は表8を参照のこと)
である。
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