「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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可能な限り科学的根拠に基づいた策定を行うことを基本とした。システマティック・レビューの手
法を用いて、国内外の学術論文や入手可能な学術資料を最大限に活用することにした。
エネルギー及び栄養素についての基本的なレビューにおいては、「日本人の食事摂取基準(2020 年
版)」の策定において課題となっていた部分について特に重点的にレビューを行った。あわせて、高
齢者、乳児等の対象特性についてのレビューを行った。エネルギー及び栄養素と生活習慣病等の発症
予防・重症化予防との関係についてのレビューは、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下、フレイ
ル及び骨粗鬆症に関するリサーチクエスチョンの定式化を行うため、可能な限り PICO 形式を用いて
レビューした 3)。このほか、栄養素摂取量との数量的関連が多数の研究によって明らかにされ、その
予防が日本人にとって重要であると考えられている疾患に限ってレビューの対象とした。この際、研
究対象者の健康状態や重症度の分類に留意して検討することとした。これらのレビューは、令和 4~
5 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)の
「日本人の食事摂取基準(2025 年版)の策定に資する各栄養素等の最新知見の評価及び代謝性疾患等
の栄養評価に関する研究」を中心に行った。こうしたレビューの方法については、今後、その標準化
を図っていく必要がある。特に、摂取量の基準となる数値の算定を目的とする食事摂取基準で求めら
れるレビューの方法は、定性的な予防及び治療指針の策定を目的とする他のガイドラインで求められ
るレビューの方法とは異なるため、食事摂取基準に特化したレビュー方法の開発、向上及びその標準
化を図る必要がある。
なお、前回の策定までに用いられた論文や資料についても必要に応じて再検討を行った。ただし、
他の医療分野と異なり、エビデンスレベルを判断し明示する方法は、人間栄養学、公衆栄養学及び予
防栄養学では十分に確立していない。加えて、得られるエビデンスレベルは、栄養素間でばらつきが
生じる。
こういった実情を踏まえ、メタ・アナリシスなど、情報の統合が定量的に行われている場合には、
基本的にはそれを優先的に参考にすることとした。実際には、それぞれの研究の内容を詳細に検討し、
現時点で利用可能な情報で最も信頼度の高い情報を用いるように留意した。さらに、食事摂取基準の
ように、「定性的な文章」ではなく、「量」の算定を目的とするガイドラインにおいては、通常のメ
タ・アナリシスよりも量・反応関係メタ・アナリシス(dose-response meta-analysis)から得られる情報
の利用価値が高い。そこで、目標量に限って、表1のような基準でエビデンスレベルを付すことにし
た。
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