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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (428 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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(2) 脂質異常症
1 脂質異常症と食事の関連
1-1 概念と定義
ここでは、脂質異常症について、高 low-density lipoprotein(LDL)コレステロール血症、低 high-density
lipoprotein(HDL)コレステロール血症、高トリグリセライド血症の 3 つのタイプに分けて、栄養素摂
取量との関連を記述する。本項では脂質に食事性コレステロールも含めている。脂質異常症は、動脈
硬化性疾患、特に心筋梗塞及び脳梗塞の危険因子となる疾患である。動脈硬化性疾患の概念、診断基
準、病態及び動脈硬化性疾患全体の重症化予防については、日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾
患予防ガイドライン 2022 年版」を参照されたい 1)。なお、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022
年版」では、冠動脈疾患及びアテローム血栓性脳梗塞の発症予防重視の観点から、脂質異常症のスク
リーニング基準値を表1のように設定している 1)。
表1 脂質異常症診断基準(空腹時採血*)
140 mg/dL 以上

高 LDL-コレステロール血症

120~139 mg/dL

境界域高 LDL-コレステロール血症**

HDL-コレステロール

40 mg/dL 未満

低 HDL-コレステロール血症

トリグリセライド

150 mg/dL 以上
(空腹時採血*)
175 mg/dL 以上
(随時採血*)

高トリグリセライド血症

170 mg/dL 以上

高 non-HDL-コレステロール血症

150~169 mg/dL

境界域高 non-HDL-コレステロール血症**

LDL-コレステロール

non-HDL-コレステロール

* 基本的に 10 時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし、水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。空腹時である
ことが確認できない場合を「随時」とする。
** スクリーニングで境界域高 LDL-コレステロール血症、境界域高 non-HDL-コレステロール血症を示した場合は、高リスク病態
がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
LDL-コレステロールは Friedewald 式(総コレステロール-HDL-コレステロール-トリグリセライド/5)で計算する(ただし空腹
時採血の場合のみ)。又は直接法で求める。
トリグリセライドが 400 mg/dL 以上や随時採血の場合は non-HDL-コレステロール(=総コレステロール-HDL-コレステロール)
か LDL-コレステロール直接法を使用する。ただしスクリーニング時に non-HDL-コレステロールを用いる場合は、高トリグリセ
ライド血症を伴わない場合は LDL-コレステロールとの差が+30 mg/dL より小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する。
トリグリセライドの基準値は空腹時採血と随時採血により異なる。
HDL-コレステロールは単独では薬物介入の対象とはならない。
日本動脈硬化学会編:動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022 年版、P22、表 2-1 を一部改変。

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