「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (98 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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近年、指標アミノ酸酸化法(indicator amino acid oxidation technique)によって必要量を測定する研究
が進んでいる。それらによって得られた値をまとめると表3のようになり 15–23)、窒素出納法を用いて
得られた必要量よりも一様に高く、そのため、窒素出納法によって求められた値は真の必要量よりも
かなり、例えば 40~50%程度、低いのではないかとする意見がある 24,25)。
しかしながら、食事摂取基準の策定根拠として用いるためには、まだ研究の数・質ともに十分でな
く 26)、特に国内においては、その研究報告が皆無である。そこで、今回の策定では指標アミノ酸酸化
法によって得られた結果は直接には用いず、窒素出納法で得られたたんぱく質維持必要量を用いるこ
とにした。今後、指標アミノ酸酸化法を用いたライフステージ別・ライフスタイル別のたんぱく質維
持必要量を明らかにする国内の研究が喫緊の課題である。なお、たんぱく質を構成している各アミノ
酸(特に、不可欠アミノ酸)の必要量も重要であるが、現在、アミノ酸の必要量を設定するための、
量・質ともに十分なエビデンスは存在しない。
表1 15 歳以上のたんぱく質維持必要量:メタ・アナリシスの結果
年齢区分
研究数
対象者数
15~59 歳
25
60~84 歳
全体
たんぱく質維持必要量(g/ kg 体重/日)
平均値
95%信頼区間
294
0.65
0.64~0.67
5
54
0.69
0.64~0.74
28*
348
0.66
0.64~0.68
* 15~59 歳と 60~84 歳を分けて結果を報告した論文が 2 つあったため、研究数の合計は一致しない。
表2 乳児及び小児におけるたんぱく質維持必要量
参考文献
番号
年齢等
対象者数
平均窒素出納維持量
(mg 窒素/ kg 体重/日)
たんぱく質維持必要量
(g/ kg 体重/日)
6)
9~17 か月
24
112
0.70
6)
9~17 か月
10
116
0.73
9)
18~26 か月
7
102
0.64
10)
17~31 か月
10
66
0.41
11)
17~31 か月
10
90
0.56
12)
22~29 か月
5
149
0.93
11)
34~62 か月
6
76
0.48
11)
34~62 か月
7
127
0.79
7)
8~9 歳
8
126
0.79
8)
12~14 歳
8
107
0.67
平均
-
-
107
0.67
88