「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (165 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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新生児にビタミンAを経口で与えた介入研究(15,000 µgRAE の単回投与)の結果をまとめたメタ・
アナリシスでは、介入群はプラセボ群に比べ、48~72 時間以内の泉門膨隆のリスクが増加したと報告
されている 29)。また、長期(数か月)の過剰摂取(5,550~18,000 µgRAE)による健康障害として、頭
蓋内圧亢進の症例報告 30)もある、これらを参考に、健康障害非発現量を 6,000 µgRAE/日とした。不確
実性因子を 10 として乳児の耐容上限量は 600 µgRAE/日とした。
3-3 生活習慣病の発症予防
ビタミンAの食事レベルでの習慣的な過剰摂取が、骨密度の低下や骨折のリスクを上昇させるとい
う報告もあるが 23,31)、否定的な報告もあり 32)、結果は十分に一致していない。このため、目標量は設
定しなかった。
4 生活習慣病の重症化予防
食品から摂取できるレベルでのビタミンAの習慣的な摂取量と生活習慣病等の重症化予防に関す
る報告はほとんど存在しない。そのため、重症化予防を目的とした量は設定しなかった。
5 今後の課題
これまでビタミンA(レチノイド)の健康への影響が注目されてきたが、プロビタミンA(カロテ
ノイド)の疾患予防・疾患の進行に対する影響についても、今後、更なる検討が必要である。また、
サプリメントによる介入では、カロテノイドでも望ましくない影響が見られる可能性も示唆されてい
る 33)ため、今後更なる研究報告の蓄積が必要である。
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