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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (333 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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じて有意に増大している 218)。血漿セレノプロテインP量が約 50 µg/日のセレンの摂取により飽和す
ることを踏まえると、セレノプロテイン類生合成に必要な量を超えるセレンの摂取は耐容上限量未満
であっても糖尿病発症リスクを高める可能性がある。
生活習慣病の発症予防のための目標量(上限値)は、高セレン摂取と糖尿病以外の生活習慣病との
関連に係る検討も必要とするため、今回は設定しない。ただし、欠乏症を回避する目的以外にサプリ
メントを摂取して日常的なセレンの摂取量を意図的に高めることは、糖尿病発症リスクを高める可能
性があるので控えるべきである。

4 生活習慣病等の重症化予防
セレン摂取と生活習慣病重症化の関連を直接検討した報告はない。したがって、生活習慣病重症化
予防のための量は設定しなかった。

5 活用に当たっての留意事項
日本人のセレン摂取量は平均で約 100 µg/日と推定されており 196)、推奨量をかなり上回っている。
したがって、通常の日本人の食生活であれば、セレン摂取量は適切な範囲に保たれていると考えられ
る。

6 今後の課題
2 型糖尿病発症リスクとセレン摂取との関連について、摂取量に依存してリスクが増大することが
諸外国の疫学研究から示されている 218)。糖尿病発症リスクを踏まえた目標量(上限値)の設定に関
して、日本人を対象にした疫学研究が必要である。また、2 型糖尿病以外の生活習慣病発症とセレン
摂取との関連についても更なる研究が必要である。

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