「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
量を下回ることを要因としてある病態のリスクが生じる状態を指す。生体指標は直接的に欠乏症の発
症率と関連する場合もあるが、特に「不足」の指標として用いる場合には疾病発症リスクを正確に見
積もることは難しい場合が多い。それぞれの栄養素で用いられた推定平均必要量の定義については、
本章の表4及び各論を参照されたい。
●推奨量(recommended dietary allowance:RDA)
ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほとんどの者(97~98%)
が充足している量として「推奨量」を定義する。推奨量は、推定平均必要量が与えられる栄養素に対
して設定され、推定平均必要量を用いて算出される。
推奨量は、実験等において観察された必要量の個人間変動の標準偏差を、母集団における必要量の
個人間変動の標準偏差の推定値として用いることにより、理論的には、「推定必要量の平均値+2×推
定必要量の標準偏差」として算出される。しかし、実際には推定必要量の標準偏差が実験から正確に
与えられることはまれである。そのため、多くの場合、推定値を用いざるを得ない。
したがって、
推奨量=推定平均必要量×(1+2×変動係数)=推定平均必要量×推奨量算定係数
として、推奨量を求めた。
●目安量(adequate intake:AI)
特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量として「目安量」を定義する。
目安量は、十分な科学的根拠が得られず「推定平均必要量」が算定できない場合に算定するものとす
る。実際には、特定の集団において不足状態を示す者がほとんど観察されない量として与えられ、基
本的には、健康な多数の者を対象として、栄養素摂取量を観察した疫学的研究によって得られる。
目安量は、次の 3 つの概念のいずれかに基づく値である。どの概念に基づくものであるかは、栄養
素や性・年齢区分によって異なる。
① 特定の集団において、生体指標等を用いた健康状態の確認と当該栄養素摂取量の調査を同時に行
い、その結果から不足状態を示す者がほとんど存在しない摂取量を推測し、その値を用いる場合:
対象集団で不足状態を示す者がほとんど存在しない場合には栄養素摂取量の中央値を用いる。
② 生体指標等を用いた健康状態の確認ができないが、健康な日本人を中心として構成されている集
団の代表的な栄養素摂取量の分布が得られる場合:原則、栄養素摂取量の中央値を用いる。
③ 母乳で保育されている健康な乳児の摂取量に基づく場合:母乳中の栄養素濃度と哺乳量との積を
用いる。
4