「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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で紹介されている式
3,000
3,000
2,805
2,765
推定エネルギー必要量 (kcal/日)
2,500
2,500
2,680
食事摂取基準
2,000
2,124
2,363
1,864
2,000
2,264
国立健康・栄養研究所の式
2,048
1,986
1,853
1,500
1,500
1,000
1,000
500
500
1,687
男性
女性
0
0
0
20
40
60
80
年齢 (歳)
0
20
40
60
80
年齢 (歳)
図 11 3 種類の推定エネルギー必要量の比較
成人について、性・年齢区分ごとの参照身長と参照体重、身体活動レベルには「ふつう」(身体活動レベル=1.75)を用いて計算し
た結果。アメリカ・カナダの食事摂取基準で紹介された推定式 3)については、身体活動レベルにアメリカ・カナダの食事摂取基準
で紹介された「活動的(ふつう:身体活動レベル=1.75)」を用いた。
4-2 体格の影響
今回の食事摂取基準で用いた推定エネルギー必要量は、参照身長と参照体重を仮定したものである。
しかし、実務における対象者又は対象集団は必ずしも参照身長と参照体重を有する個人又は集団では
ない。
参照身長又は(及び)参照体重でない個人又は集団に対しては、体重 1 kg 当たりの推定エネルギー
必要量(参考表1)に対象者又は対象集団の体重を乗じて推定エネルギー必要量を求めることができ
る。しかし、同じ体重であっても、体組成が異なると基礎代謝量は(結果としてエネルギー必要量も)
ある程度異なると考えられる。この原因の 1 つとして、体脂肪と各臓器や筋肉の基礎代謝量の違いが
考えられるが、この影響の詳細はいまだ明らかでない。このことを定性的に理解し、参考表1を柔軟
に用いる(すなわち絶対視しない)ことが望まれる。
4-3 個人間差
たとえ、性、年齢、身長、体重、身体活動レベルが完全に同じであっても、個人間でエネルギー必
要量は必ずしも同じではなく、個人間差が存在する。個人間差の程度を明らかにするのは難しいが、
アメリカ・カナダの食事摂取基準が紹介したエネルギー必要量の推定式では、年齢、身長、体重、身
体活動レベルが同じであると仮定したときのエネルギー必要量の分布の標準偏差が、成人男性では ±
199 kcal/日、成人女性では ± 164 kcal/日と推定されている 3)。そこで、エネルギー必要量の分布が正
規分布であると仮定してこれを図示すると図 12 のようになる。例えば、成人男性では平均推定エネ
ルギー必要量 ± 199 kcal/日(幅は 398 kcal/日)、女性ではエネルギー必要量 ± 164 kcal/日(幅は 328
kcal/日)の範囲内にいる対象者は対象者全体の 68%(7 割弱)にすぎない。このことは、エネルギー
必要量には相当に大きな個人間差が存在し、そのために、推定エネルギー必要量を摂取しても、個人
ごとにみれば体重は維持できない(減少する者も増加する者も出現する)ことを示している。
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