「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (457 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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1 慢性腎臓病(CKD)と食事の関連
1-1 概念と定義
慢性的に腎機能が低下した状態を、慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)と呼ぶ。蛋白(たん
ぱく)尿やその他の腎障害を示唆する所見や、糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)の低下
のような、健康に影響を与える腎臓の構造や機能の異常が 3 か月を越えて持続する場合に CKD と診
断される 1)。
CKD の診断基準を表1に示す 1)。GFR が 60 mL/分/1.73 m2 未満であることや、アルブミン尿や蛋白
尿は、全死亡、心血管死、末期腎不全などの危険因子である。CKD の重症度は、原疾患、GFR 区分、
蛋白尿区分によって評価され(表2)、死亡・末期腎不全・心血管死亡のリスクが 4 段階に分けられ
ている 1)。
表1 CKD 診断基準
腎障害の指標
蛋白尿(0.15 g/24 時間以上;0.15 g/gCr 以上)
アルブミン尿(30 mg/24 時間以上;30 mg/gCr 以上)
尿沈渣の異常
尿細管障害による電解質異常やその他の異常
病理組織検査による異常、画像検査による形態異常
腎移植の既往
GFR の低下
GFR
60 mL/分/1.73 m2 未満
以上のいずれかが 3 か月を超えて存在する。
文献 1)を引用改変。
原疾患
蛋白尿区分
A1
A2
A3
正常
微量アルブミン尿
顕性アルブミン尿
糖尿病関連腎臓病
尿アルブミン定量
(mg/日)
尿アルブミン/Cr比
(mg/gCr)
30未満
30~299
300以上
正常
軽度蛋白尿
高度蛋白尿
0.15未満
0.15~0.49
0.50以上
高血圧性腎硬化症
腎炎
多発性嚢胞腎
その他
GFR区分
(mL/分
/1.73m2)
尿蛋白定量
(g/日)
尿蛋白/Cr比
(g/gCr)
G1
正常または高値
≧90
G2
正常または軽度低下
60~89
G3a
軽度~中等度低下
45~59
G3b
中等度~高度低下
30~44
G4
高度低下
15~29
G5
高度低下~末期腎不全
<15
表2 CKD の重症度分類
重症度は原疾患・GFR 区分・蛋白尿区分を合わせたステージにより評価する。
、
、
、
の順にステージが重症化
する。「エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン 2023」では「糖尿病性腎臓病」と表記されていたが、2024 年現在「糖尿病
関連腎臓病」と表記する。文献 1)を引用改変。
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