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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (80 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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3 推定エネルギー必要量
次に述べる方法で推定エネルギー必要量を定めた。

3-1 算定方法
推定エネルギー必要量には、二重標識水法で得られたエネルギー消費量を用いるのが理論的には理
想に近い。しかしながら、全年齢区分にわたって、性別・身体活動レベル別に代表値を定めることが
できるほどのデータは未だに蓄積されていない。その一方、過小申告や日間変動の問題のために食事
調査で得られるエネルギー摂取量を用いることもできない。そこで、誤差を有するものの、下式のよ
うに、「体重 1 kg 当たりの基礎代謝基準値と参照体重と身体活動レベル基準値の積を用いる」方法
が、全年齢区分にわたって、性・身体活動レベル別に代表値を定めるという食事摂取基準の目的に最
も適っていると考えられる。この方法を採用し、
推定エネルギー必要量=体重 1 kg 当たりの基礎代謝基準値×参照体重
×身体活動レベル基準値
として、性・年齢区分・身体活動レベル(カテゴリー)別に、推定エネルギー必要量を求めた。
なお、この式から参照体重を除けば、下式のように、体重 1 kg 当たりの推定エネルギー必要量が得
られる。
体重 1 kg 当たりの推定エネルギー必要量=体重 1 kg 当たりの基礎代謝基準値
×身体活動レベル基準値
小児及び妊婦・授乳婦では、これに成長や妊娠継続・授乳に必要なエネルギー量を付加量として加
えることとした。付加量についてはこの後、詳述する。また、乳児の必要エネルギーは別の方法で求
めたため、これについてもこの後、詳述する。
体重 1 kg 当たりの推定エネルギー必要量を参考表1のように、推定エネルギー必要量を参考表2
のように定めた。なお、参考表1は 1 歳以上、かつ、妊婦及び授乳婦以外について示す。

3-2 成人
推定エネルギー必要量=体重 1 kg 当たりの基礎代謝基準値×参照体重×身体活動レベル基準値
を用いて、性・年齢区分・身体活動レベル(カテゴリー)別に、推定エネルギー必要量を求めた。

3-3 乳児
成長期である乳児では、
推定エネルギー必要量(kcal/日)=エネルギー消費量(kcal/日)+エネルギー蓄積量(kcal/日)
である。
エネルギー消費量について、FAO/WHO/UNU は、二重標識水法を用いた先行研究で報告された結果
に基づき、性及び年齢(月齢)、体重、身長、エネルギー消費量との関係を検討した結果、母乳栄養
児の乳児期のエネルギー消費量は、体重だけを独立変数とする次の回帰式で説明できたと報告してい
る 77,78)。
エネルギー消費量(kcal/日)=92.8×体重(kg)-152.0
日本人の乳児について、二重標識水法によってエネルギー消費量を測定した報告は存在しない。そ
のため、この回帰式に参照体重を代入してエネルギー消費量(kcal/日)を求めた。

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