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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (160 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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1-6 ビタミン
(1) 脂溶性ビタミン
① ビタミンA
1 基本的事項
1-1 定義と分類
ビタミンAは、レチノイドと呼ばれ、その末端構造によりレチノール(アルコール)、レチナール
(アルデヒド)、レチノイン酸(カルボン酸)に分類される。また、β-カロテン、α-カロテン、β
-クリプトキサンチンなど、経口摂取すると体内でビタミンAの活性を有する化合物に変換される 50
種類に及ぶ物質(カロテノイド)が知られている。これらはプロビタミンAとも呼ばれる(図1)1)。
食事摂取基準では、それぞれのカロテノイドがビタミンAに変換される効率(変換効率)を考慮し、
ビタミンAの数値をレチノール相当量として示し、レチノール活性当量(retinol activity equivalents:
RAE)という単位で算定した。

H3C

CH3

CH3

CH3

H3C

CH2OH

CH3

CH3

CH3

CH3

CH3

CH3

CH3
α-カロテン
(C40H56、分子量=536.9)

CH3 H3C

CH3

β-カロテン
(C40H56、分子量=536.9)
H3C

CH3

H3 C

CH3

CH3

レチノール
(C20H30O、分子量=286.5)

H3C

CH3

CH3 H3C

H3C
CH3

CH3
CH3

CH3

H3 C

CH3
CH3

CH3 H3C

OH

CH3

β-クリプトキサンチン
(C40H56O、分子量=552.9)

図1 レチノール活性当量の計算に用いられる化合式の構造式

1-2 機能
ビタミンAは生物の成長や視覚機能の維持、形態形成、細胞分化・増殖、免疫系の正常な機能にも
関係する栄養素である 2)。また、レチノールとレチナールは、網膜細胞の保護作用や視細胞における
光刺激反応に重要な物質である。

1-3 消化、吸収、代謝
ビタミンAは、動物性食品から主にレチニル脂肪酸エステルとして、植物性食品からプロビタミン
Aであるカロテノイドとして摂取される。レチニル脂肪酸エステルは小腸吸収上皮細胞において、刷
子縁膜に局在するレチニルエステル加水分解酵素によりレチノールとなって細胞内に取り込まれる。
レチノールの吸収率は 70~90%である 3,4)。β-カロテンの大部分は、小腸吸収上皮細胞内において中
央開裂により 2 分子のビタミンA(レチナール)を生成する。他のプロビタミンAカロテノイドは、
中央開裂により 1 分子のレチナールを生成する。β-カロテンの吸収率は、精製β-カロテンを油に溶

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