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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (107 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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5 今後の課題
たんぱく質の必要量設定には、日常生活下(通常の食事や身体活動の状況下)におけるたんぱく質
摂取代謝を維持するために必要なたんぱく質摂取量を評価することができる指標アミノ酸酸化法に
より、測定されたデータを構築していく必要がある。また介入試験における課題としては、介入によ
る付加量が明らかであったとしても、総たんぱく質摂取量が明らかな介入研究(試験デザイン)が少
なかったことや、サプリメント等による摂取量が多いために通常の食事の摂取範囲を逸脱した介入研
究が多く、食事摂取基準の策定に用いることが難しかった。今後の目標量や耐容上限量の設定には、
たんぱく質を摂取した「量」を評価することができる手法により評価されたエビデンスの蓄積が求め
られる。

〈概要〉
推定平均必要量(1 歳以上)は、窒素出納法で得られたたんぱく質維持必要量を用いて策定し
た。近年、指標アミノ酸酸化法を用いた研究結果も増えてきているが、まだその質・量ともに
十分ではないことから、今回の策定では採用しなかった。
目標量の下限は、推奨量以上であり、かつ、高齢者においてはフレイル等の発症予防も考慮し
た値であることが望まれる。そこで、フレイルの発症予防を目的とした量を算定することはで
きないものの、高齢者については推奨量より少し多めに摂取した方がフレイルの発症を予防で
きる可能性を考え、他の年齢区分の値よりも引き上げた。目標量の上限は、成人における各種
の代謝変化への影響や、高齢者における腎機能に好ましくない影響を予防する観点などから、
1 歳以上の全年齢区分において 20%エネルギーとした。
耐容上限量は、最も関連が深いと考えられる腎機能への影響を考慮すべきではあるが、基準を
設定し得る明確な根拠となる報告が十分ではないことから、設定しなかった。

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