「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (209 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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血漿中に存在する PLP は、体内組織のビタミンB6 貯蔵量をよく反映する 49)。血漿中の PLP 濃度が
低下した若年女性において、脳波パターンに異常が見られたという報告がある 50)。いまだ明確なデー
タは得られていないが、神経障害の発生などのビタミンB6 欠乏に起因する障害が観察された報告を
基に判断すると、血漿 PLP 濃度を 30 nmol/L に維持することができれば、これらの障害は全く観察さ
れなくなる 51)。そこで、血漿 PLP 濃度を 30 nmol/L に維持できるビタミンB6 摂取量を推定平均必要
量とすることにした。一方、ビタミンB6 の必要量はたんぱく質摂取量が増加すると増え、血漿 PLP
濃度はたんぱく質摂取量当たりのビタミンB6 摂取量とよく相関する(図7)52)。
80
70
血漿PLP濃度 (nmol/L)
60
50
40
30
20
10
0
0
0.005
0.01
0.015
0.02
0.025
0.03
ビタミンB6/たんぱく質摂取量 (mg/g)
0.035
0.04
図7 血漿 PLP 濃度と 1 g たんぱく質摂取量当たりのビタミンB6 摂取量との関係 52)
3 健康の保持・増進
3-1 欠乏の回避
3-1-1 必要量を決めるために考慮すべき事項
ビタミンB6 の必要量は、アミノ酸の異化代謝量に応じて要求量が高まることから、たんぱく質摂
取量当たりで算定した。
3-1-2 推定平均必要量、推奨量の策定方法
・成人・小児(推定平均必要量、推奨量)
血漿 PLP 濃度を 30 nmol/L に維持できるビタミンB6 量は、PN 摂取量として 0.014 mg/g たんぱく質
である(図8)。食事性ビタミンB6 量に換算するために、相対生体利用率 73%3)で除した 0.019 mg/g
たんぱく質を 1~64 歳の推定平均必要量算定の参照値とし、対象年齢区分のたんぱく質の食事摂取基
準の推奨量を乗じて推定平均必要量を算定した。推奨量は、推定平均必要量に推奨量算定係数 1.2 を
乗じた値とした。
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