「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (264 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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4-1 生活習慣病の重症化予防
食塩過剰摂取の血圧上昇作用に対するカリウムの拮抗作用が認められている 52,53)。疫学研究でも、
ナトリウム/カリウム摂取比が心血管疾患リスクの増加や全死亡に重要であるという報告がある 46)。
先に述べたように、2012 年に発表された WHO のガイドライン 47)では、カリウム摂取量 3,510 mg/
日以上を推奨している。また、2018 年に発表された ACC、AHA 等による治療ガイドラインでは、摂
取目標としてカリウム 3,500~5,000 mg/日が示されている 38)。
以上のような国内外のガイドラインの検討により、高血圧の重症化予防のためには、発症予防のた
めの目標量よりも多くのカリウムを摂取することが望まれるが、重症化予防を目的とした量を決める
だけの科学的根拠はないことから、重症化予防のためのカリウム摂取量の設定は見送った。
5 活用に当たっての留意事項
カリウムは様々な食品に含まれているが、加工や精製度が進むにつれて含量は減少する 47,54)。
カリウム単独で考えるのではなく、ナトリウムの項で記述したように、ナトリウム/カリウムの摂
取比を考慮することも大切である。
日本人のナトリウム摂取量からすると、一般的にはカリウムが豊富な食事が望ましいが、特に高齢
者では、腎機能障害や糖尿病に伴う高カリウム血症に注意する必要がある。
6 今後の課題
ナトリウム、カリウムの摂取量は食事調査に加えて、24 時間尿中排泄量の値を用いるようになって
きている。摂取量の評価方法について引き続き検討を行い、整理することが必要である。
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