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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (384 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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低いと報告されている 87)ことから留意が必要である。
小児期、特に思春期(12~14 歳)は骨塩量増加に伴うカルシウム蓄積量が生涯で最も増加する時期
で、カルシウム推奨量は他の年代に比べて最も多い。13~14 歳の男児では推定平均必要量を満たさな
い者が 89.6%、女児で 35.4%に上るとの報告もある 72)。諸外国の研究で、一定レベル(800~1,000 mg/
日程度)以上のカルシウム摂取がある場合には身体活動や BMI が骨の状態と関連し、それ以上の摂
取で改善はなかったとの報告があるが 88–90)、我が国の摂取量レベルでのカルシウムの骨成長や骨折等
への影響をみた研究は少なく 91)、今後の検討が必要である。

5-10 鉄
満期産で正常な子宮内発育を遂げた出生時体重 3 kg 以上の新生児は、およそ生後 4 か月までは体
内に貯蔵されている鉄を利用して正常な鉄代謝を営むので、鉄欠乏性貧血は乳児期の後期(離乳期)
に好発する 92)。我が国の乳児及び小児の貧血有病率を報告した研究は少ないが、6~18 か月児におけ
る貧血有病率は 8%、鉄剤による治療に反応し鉄欠乏性貧血と考えられたのが 4%であったとする報告
がある 93)。「授乳・離乳の支援ガイド」では、母乳育児を行っている場合、生後 5~6 か月を目安と
して離乳を開始するとともに、鉄の供給源となる食品を積極的に摂取するなど、離乳の進行を踏まえ
てそれらの食品を意識的に取り入れることを推奨している 79)。
小児では、要因加算法を用いて基準値が設定されている。小中学生では、鉄摂取量が推定平均必要
量に満たない者の割合が高く、特に中学生では男児の 53.7%、女児(月経ありの基準値を適用)の 59.8%
が満たないとの報告がある 72)。一方で、小中学生の貧血有病率は、中学生女子を除き 0~1%台(中学
生女児は 5.7%)とする報告がある 94)。新たに小児の貧血有病率の検討を行い、現在の鉄摂取量の健
康影響を評価する必要がある。

5-11 ヨウ素
0~5 か月児の目安量として、日本人の母乳中ヨウ素濃度と基準哺乳量(0.78 L/日)を乗じた値(147
µg/日)は、アメリカ・カナダの食事摂取基準における 0~6 か月児の目安量(110 µg/日)95)を大きく
上回っており、高すぎると判断した。そこで、日本の 0~5 か月児の目安量は、アメリカ・カナダの食
事摂取基準における 0~6 か月児の目安量と日本とアメリカの乳児の体格差を考慮して、100 µg/日と
した。6~11 か月児では 0~5 か月児の目安量を体重比の 0.75 乗を用いて外挿し、男女の値の平均値
を目安量とした。
小児では、根拠となるデータがない。そのため、成人・高齢者の策定に用いた研究の研究参加者の
体重(78.2 kg)における必要量を、78.2 kg と当該年齢の参照体重の比の 0.75 乗と成長因子を用いて
外挿し、得られた値の男女の平均値を丸め、各年齢層の推定平均必要量とした。

6 乳児・小児における食事摂取基準(再掲)
乳児及び小児における食事摂取基準は、表3から表 17 のとおり設定した。

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