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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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対象者の状況に応じて臨床症状や臨床検査値も含め、総合的に行う必要がある。なお、臨床症状や臨
床検査値は、対象とする栄養素の摂取状況以外の影響も受けた結果であることに留意する。図6に食
事摂取基準を用いた食事評価の概要を示す。

摂取量推定により得られる
習慣的な摂取量

食事摂取基準の各指標で
示されている値

• 食事調査の特徴と限界(測定誤差)
を理解すること
• 食品成分表の特徴と限界(測定誤差)
を理解すること

• 食事摂取基準の特徴と限界を
理解すること

それぞれの絶対量よりも、
両者の差が重要である。

比較
生活習慣
生活環境

臨床症状・臨床検査値の利用
対象とする栄養摂取状況以外の影響も
受けた結果であることに留意すること。

エネルギーや栄養素の摂取量が適切かどうかを評価

図6 食事摂取基準を用いた食事評価の概要
4-2-2 食事調査
食事摂取状況に関する調査方法には、陰膳法、食事記録法、24 時間食事思い出し法、食物摂取頻度
法、食事歴法、生体指標の活用などがある(表 10)。それぞれの特徴によって長所と短所があること
に留意し、食事調査を行う場合は、その目的や状況に合わせて適宜選択する必要がある 28,29)。
食事摂取基準は、習慣的な摂取量の基準を示したものであることから、その活用における食事調査
では、習慣的な摂取量の推定が可能な調査法を選択する必要がある。表 10 に示したとおり、長期間
の平均的な摂取量を個人レベルで評価するためには、実施負担や精度管理上の課題が存在する。こう
したことに留意し、食事摂取基準の活用場面での目的や状況を考慮すると、習慣的な摂取量の推定に
適した食事調査法として、食物摂取頻度法と食事歴法が挙げられる。しかし、これらの調査法は、食
べたものをそのままデータ化する方法ではないため、その信頼度(妥当性と再現性)について検証す
る必要があり、信頼度に関する研究が論文化されており、国際的にも認められているものを使用する
ことが望ましい。また、食事調査では摂取量の推定精度が低い栄養素があり、そうした場合には、血
液や尿などの生体指標を用いて推定する方法を用いることも考慮する必要がある。
ところで、近年、食事(料理)の写真を撮影し、その情報を用いて食品の種類と量(摂取量)を推
定し、栄養計算に用いる方法も利用されるようになっている。しかし、画像認識能力などは開発段階
であり、撮影もれの問題や、そもそも習慣的摂取量を把握する方法ではないなどの問題があり、その
利用には慎重さが望まれる 30)。

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