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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (75 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2-3 基礎代謝量と身体活動量を用いた推定方法
2-3-1 基礎代謝量基準値
基礎代謝量とは、覚醒状態で必要な最小源のエネルギーである。実験参加者をエネルギー代謝測定
室に入れ、熱となって放散されるエネルギーを測定する。早朝空腹時に快適な状態(室温など)にお
いて安静仰臥位・覚醒状態で測定すれば、これが基礎代謝量となる。この方法は、基礎代謝量を直接
測定するため、直接法と呼ばれる。
一方、直接測定ではなく、直接測定で得られた値を用いて、性・年齢・身長・体重などから推定す
る方法(推定式の開発)も数多く試みられている。主なものを表2に示す 66)。このように複数の推定
式が提案されているものの、一定以上の精度が確認された推定式は成人を対象としたものが多い。な
お、日本人の小児については、「昭和 44 年改定日本人の栄養所要量」で示された体表面積に基づく
式など各種推定式の妥当性を検討した論文がある 67)。
実測された基礎代謝量を体重 1 kg 当たりで表現し(kcal/kg/日)、性・年齢区分別にデータを統合
し、それぞれの代表値を求める方法がある。1980 年以降、我が国で測定された 50 の研究の結果は図
9のとおりである(詳細は参考文献 68 を参照のこと)。この観察値から代表値(体重 1 kg 当たりの
基礎代謝基準値)を求めた(表3)。これに参照体重を乗じると参照体重の場合の基礎代謝基準値と
なる。具体的には、各年齢区分で重み付けをせずに平均値を求めた。なお、65~74 歳男性は前後の年
齢層から内挿して算出した。また、70 歳以上の測定値が高齢者施設に入所している全身状態の良い者
を対象とした研究が主であったことを考慮し、75 歳未満の値も参考にして、75 歳以上男性は 21.5
kcal/kg 体重/日とし、女性は 50 歳以上を一律に 20.7 kcal/kg とした。
後述するように、参照体重から大きく逸脱した個人又は集団に用いる場合に注意を要するものの、
日本人の実測定データを最大限に活用している点を評価し、食事摂取基準ではこの方法を用いるのが
現時点では最良であると判断した。
表2 主な基礎代謝量推定式
名称

年齢(歳)

推定式:上段が男性、下段が女性

国立健康・栄養研究所の式

20~74
(妥当性が確認さ
れている年齢幅:
18~79)

(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.4235)×1,000/4.186
(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.9708)×1,000/4.186

Harris-Benedict の式

Schofield の式

FAO/WHO/UNU の式



66.4730+13.7516×W+5.0033×H-6.7550×A
655.0955+9.5634×W+1.8496×H-4.6756×A

18~29

(0.0063×W+2.896)×1,000/4.186
(0.0062×W+2.036)×1,000/4.186

30~59

(0.0048×W+3.653)×1,000/4.186
(0.0034×W+3.536)×1,000/4.186

60 以上

(0.0049×W+2.459)×1,000/4.186
(0.0038×W+2.755)×1,000/4.186

18~29

(64.4×W-113.0×H/100+3,000)/4.186
(55.6×W+1,397.4×H/100+146)/4.186

30~59

(47.2×W+66.9×H/100+3,769)/4.186
(36.4×W-104.6×H/100+3,619)/4.186

60 以上

(36.8×W+4,719.5×H/100-4,481)/4.186
(38.5×W+2,665.2×H/100-1,264)/4.186

略号)W:体重(kg)、H:身長(cm)、A:年齢(歳)。

65