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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (414 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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(1) 高血圧
1 高血圧と食事の関連
1-1 概念と定義
高血圧は、収縮期血圧又は拡張期血圧のいずれかが基準値を超えて上昇した状態であり、診察室血
圧では 140/90 mmHg 以上と定義されている。最近では、日常生活を行っている際の血圧値(家庭血
圧)がより重要で、診察室血圧と家庭血圧に乖離がある場合には家庭血圧を重視すべきであると考え
られている。通常、家庭血圧は診察室血圧より低く、135/85 mmHg 以上が高血圧と定義されている 1)。
高血圧患者は循環器疾患や腎疾患の発症・進展を来しやすいことから、血圧値を基準範囲にコントロ
ールする必要がある。

1-2 発症予防と重症化予防の基本的考え方と食事の関連
高血圧の発症・増悪は、環境要因(生活習慣)と遺伝要因の相互作用から成り立っており、食事を
含めた生活習慣の修正は高血圧の改善・重症化予防のみでなく、発症予防においても重要である 1,2)。
高血圧者では、その他の循環器疾患危険因子の存在や臓器障害・循環器疾患の存在を評価した上で、
リスクの層別化を行う必要がある(表1)1)。リスクの高さに応じて高血圧管理計画が決定される。高
値血圧以上の低リスク群・中等リスク群及び高値血圧の高リスク群では 1~3 か月間は食事を含めた
生活習慣の修正を指導し、血圧の正常化を認めれば経過観察が可能である(図1)。高値血圧の高リ
スク群及び高血圧の者では、血圧が正常化しなければ薬物療法を開始する。正常血圧を保つために、
本項で述べる食事の実践が推奨される。

1-3 高血圧関連疾患のリスクの層別化
高血圧は、その血圧値から I 度(140~159/90~99 mmHg)、II 度(160~179/100~109 mmHg)、III
度(180/110 mmHg 以上)に分類される 1)。120/80 mmHg 未満が正常血圧であり、これを超える 120
~129 mmHg/80 mmHg 未満を正常高値血圧、130~139/80~89 mmHg を高値血圧と称して食事などの
生活習慣の改善が必要な高血圧予備群として位置付けている。一方、家庭血圧では、115/75 mmHg 未
満を正常血圧としている 1)。
高血圧患者における高血圧関連疾患のリスク評価は、血圧値のみで行うべきではない。脳心血管病
の危険因子(年齢 65 歳以上、男性、喫煙、脂質異常症、糖尿病)及び心房細動・慢性腎臓病などの臓
器障害や脳心血管病既往についても考慮して循環器疾患のリスク評価を行う(表1)1)。

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