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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (413 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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3 生活習慣病及び生活機能の維持・向上に係る疾患等と
エネルギー・栄養素との関連
本節では、食習慣、すなわち習慣的なエネルギー・栄養素摂取量が深く関連し、かつ、現在の日本
人にとってその発症予防と重症化予防が特に重要であると考えられる生活習慣病(高血圧・脂質異常
症・糖尿病・慢性腎臓病)
、生活機能の維持・向上に係る疾患(骨粗鬆症)等を 5 つ挙げ、エネルギ
ー・栄養素摂取との関連について説明する。ここで取り扱う生活習慣病等は、①その疾病の発症や重
症化とエネルギー・栄養素との関連を表す定性的な図が、エビデンスに基づいて描けるもの、②エネ
ルギーの供給源としての役割とは別に、食事摂取基準の策定対象である複数の栄養素が、通常の食品
の組合せで摂取できる量で、その発症や重症化の主要な因子であり、これらの疾病に関して課題のあ
る者に対する栄養指導で症状や状態の改善が見込まれるものという条件を共に満たすものである。な
お、フレイルについても、この条件を満たすかについて検討を行ったが、通常の食品の組合せで摂取
できる量により、栄養指導を通じて症状や状態の改善が見込まれることが明らかな栄養素はたんぱく
質のみであり、②の要件である複数の栄養素が発症や重症化の主要な因子であるエビデンスが乏しい
ことから、本節では取り扱わず、対象特性の高齢者の章で扱うこととした。
本節では、エネルギー・栄養素の節における各指標策定の基本的な考え方を踏まえた上で、これら
5 つの生活習慣病等の発症予防・重症化予防の観点から、特に重要なエネルギー・栄養素との関連に
ついて記載する。高血圧、脂質異常症、糖尿病及び慢性腎臓病については、その疾病の診断基準に用
いる検査値が保健指導レベルにある者の重症化予防を中心に、エネルギー・栄養素摂取との関連につ
いてまとめる。骨粗鬆症については、高齢社会における骨粗鬆症の予防や公衆衛生上の対策の重要性
を考慮し、その基本的な病態とエネルギー・栄養素摂取との関連についてまとめる。本節では、エネ
ルギーや栄養素の摂取すべき量を策定することを目的とはせず、当該生活習慣病等とエネルギー・栄
養素との関連の定性的及び俯瞰的な正しい理解を促すことを目的としている。そのため、それぞれの
生活習慣病等の治療や診療に当たっては当該疾病等の診療ガイドラインを参照されたい。
エネルギー摂取量の過不足と直接に関連し、栄養素の一部とも関連する代表的な健康問題として、
肥満及び肥満症並びにやせがある。しかし、これらはここで扱う生活習慣病等の原因でもあり、関連
の方向や程度はそれぞれの生活習慣病等によって異なる。そこで、本節では、肥満及び肥満症並びに
やせという項は設けず、それぞれの生活習慣病等の中で扱うことにした。これは、肥満及び肥満症並
びにやせの問題が、これらの生活習慣病等よりも軽いという意味ではなく、むしろ、本節で扱う全て
の生活習慣病等と密接に関連していることに留意されたい。

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