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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (200 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2 指標設定の基本的な考え方
ビタミンB2 の栄養状態を反映する生体指標として、血中ビタミンB2 濃度、尿中リボフラビン排泄
量、赤血球グルタチオンレダクターゼ活性が用いられている。これらのうち、赤血球グルタチオンレ
ダクターゼ活性が、ビタミンB2 の不足・欠乏に鋭敏に反応するため、生体指標としての利用価値が
高いのではないかと考えられる 18)。しかし、その研究結果は質・量ともに十分でなく、現時点では、
赤血球グルタチオンレダクターゼ活性係数を生体指標として用いて推定平均必要量を設定すること
はできないと判断した。
ところで、リボフラビンは血中に送られるとともに尿に排泄される。組織中のビタミンB2 が飽和
すると、余剰分のビタミンB2 はリボフラビンとして排泄される。すなわち、尿中リボフラビン排泄
量が増大する。ビタミンB2 摂取量と尿中リボフラビン排泄量の関係を調べた報告 19)に基づいて、摂
取量を増やしていったときに尿中排泄量が増大に転じる(変曲点を示す)摂取量をもってビタミンB
2 の飽和に必要な摂取量とし、これを必要量と考え、推定平均必要量を設定した。

3 健康の保持・増進
3-1 欠乏症の回避
3-1-1 必要量を決めるために考慮すべき事項
上述のように、ビタミンB2 摂取量とビタミンB2 の尿中排泄量の関係式における変曲点から求めた
値を必要量とした。欠乏症を予防するに足る最小摂取量と比べて、尿中へのビタミンB2 排泄量から
推定した必要量は多い。
ビタミンB2 の主要な役割は、エネルギー産生栄養素の異化代謝の補酵素及び電子伝達系の構成分
子である。したがって、必要量は推定エネルギー必要量当たりで算定した。
3-1-2 推定平均必要量、推奨量の策定方法
・成人・小児(推定平均必要量、推奨量)
健康な成人男女を対象とした遊離型リボフラビン負荷試験において、約 1.1 mg/日以上の摂取で尿
中リボフラビン排泄量が増大に転じることが報告されている(図4の矢印)19)。なお、この試験での
エネルギー摂取量は 2,200 kcal/日であった 19)。1~64 歳の推定平均必要量を算定するための参照値を
0.50 mg/1,000 kcal(1.1 mg/日÷2,200 kcal/日)とし、対象年齢区分の推定エネルギー必要量を乗じて推
定平均必要量を算定した。推奨量は、推定平均必要量に推奨量算定係数 1.2 を乗じた値とした。

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