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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (255 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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ただし、高温環境での労働や運動時の高度発汗では、相当量のナトリウムが喪失されることがある。
多量発汗の対処法としての水分補給では、少量の食塩添加が必要とされる 7,8)。必要以上の摂取は後述
する生活習慣病の発症予防、重症化予防に好ましくないので、注意が必要である。
・小児(推定平均必要量)
小児については、報告がないため設定しなかった。
・妊婦・授乳婦の付加量(推定平均必要量)
妊娠による母体の組織増加、胎児、胎盤を維持するために必要なナトリウム量は約 21.85 g(950 mmol)
と推定される 9)。この増加は 9 か月の間に起こるため、ナトリウム付加量は 0.08 g(3.5 mmol)/日(食
塩相当量 0.2 g/日)に相当する。この量は通常の食事で十分補えるため、妊婦にナトリウムを付加す
る必要はない。
日本人の人乳組成の報告によると、母乳中のナトリウム濃度の平均値は 135 mg/L であった 10,11)。0
~5 か月児の乳児の基準哺乳量を 0.78 L/日とすると、105 mg/日(食塩相当量 0.27 g/日)のナトリウム
が含まれていることになる。この量は通常の食事で十分補えるため、授乳婦についても特にナトリウ
ムを付加する必要はない。
3-1-3 目安量の策定方法
・乳児(目安量)
0~5 か月児の目安量の算定において、母乳中ナトリウム濃度の平均値として 135 mg/L10,11)を採用
し、基準哺乳量(0.78 L/日)12,13)を乗じると、1日当たりのナトリウム摂取量は 105 mg/日(4.6 mmol/
日、食塩相当量 0.27 g/日)となる。これを根拠に、目安量を 105 mg/日(食塩相当量 0.27g/日)、丸め
処理を行って 100 mg/日(食塩相当量 0.3 g/日)とした。
6~11 か月児では、母乳中のナトリウム濃度の平均値(135 mg/L)10,11)、6~11 か月の哺乳量(0.53
L/日)14,15)、離乳食の全国実態調査データ 16)から推定すると、母乳及び離乳食からのナトリウム摂取
量は、それぞれ、72 mg/日(135 mg/L×0.53 L/日)、487 mg/日となる。これらを合計した値(559 mg/
日)より、目安量を 600 mg/日(食塩相当量 1.5 g/日)とした。

3-2 過剰摂取の回避
3-2-1 摂取状況
通常の食事による主なナトリウムの摂取源は、食塩(塩化ナトリウム)及び食塩を含有する調味料
である。
3-2-2 耐容上限量の策定
ナトリウムの場合は、過剰摂取による健康障害のリスクの上昇の前に、生活習慣病の発症予防及び
重症化予防が重要であり、今回も耐容上限量は設定しなかった。

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