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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (124 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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5-4 生活習慣病の重症化予防
n-6 系脂肪酸摂取と循環器疾患予防との関連を検討した介入試験をまとめたメタ・アナリシスでは、
発症予防と同様に重症化予防においても、両者の間に意味のある関連を認めていない 22)。別の介入試
験のメタ・アナリシスの感度解析では、循環器疾患の既往のある人を対象とした場合で総死亡率や循
環器疾患発症に関連がなく、循環器疾患死亡率の上昇を認めている 35)。しかし、同じメタ・アナリシ
スで、n-6 系脂肪酸摂取は血中コレステロール値の低下と関連しているほか、n-6 系脂肪酸特有の作用
よりも、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸(現実的に n-3 系脂肪酸よりも n-6 系脂肪酸が大部分を占め
る)に置き換えた場合の効果も期待されている 15)。詳細は『4 飽和脂肪酸、4-4 重症化予防』の項を
参照されたい。

6 n-3 系脂肪酸
6-1 基本的事項
n-3 系脂肪酸は、生体内で合成できず(他の脂肪酸からも合成できない)、欠乏すれば皮膚炎など
が発症する 36,37)。したがって、必須脂肪酸である。また、n-3 系脂肪酸の生理作用は、n-6 系脂肪酸の
生理作用と競合して生じるものもある。さらに、n-3 系脂肪酸はα-リノレン酸(18:3n-3)、EPA(20:
5n-3)及び docosapentaenoic acid(DPA、22:3n-3)、DHA(22:6n-3)に大別され、それぞれの健康
効果についても研究が進められている。

6-2 摂取状況
平成 30・令和元年国民健康・栄養調査における n-3 系脂肪酸摂取量の中央値は、表5のとおりであ
る。
また、日本人成人(31~76 歳、男女各 92 人)における主な n-3 系脂肪酸の摂取量(平均)は図2
のとおりであり 2)、日本人にとって最も摂取量の多い n-3 系脂肪酸はα-リノレン酸である。

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