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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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3-4-2 乳児・小児
乳児・小児においては、成長曲線に照らして成長の程度を確認する。成長曲線は、集団の代表値で
あって、必ずしも健康か否かということやその程度を考慮したものではない。しかし、現時点では成
長曲線を参照し、成長の程度を確認し、判断することが最も適当と考えられる。
成長曲線は、一時点における成長の程度(肥満・やせ)を判別することよりも、一定期間における
成長の方向(成長曲線に並行して成長しているか、どちらかに向かって遠ざかっているか、成長曲線
に向かって近づいているか)を確認し、成長の方向を判断するために用いることに適している。
3-4-3 妊婦
妊婦の体重は、妊娠中にどの程度増加するのが最も望ましいかについては、数多くの議論がある。
それは、望ましいとする指標によっても異なる。詳しくは、『Ⅱ 各論、2 対象特性、2-1 妊婦・授乳
婦』の 2-3 妊娠期の適正体重増加量を参照のこと。
3-4-4 若年女性
我が国の若年女性は、やせの者の割合が高い。国民健康・栄養調査によれば、20 歳代女性のやせの
者(BMI<18.5)の割合は、1990 年代初頭に 20%台前半に達し、以降はばらつきがあるものの横ばい
傾向である。若年女性の低体重は骨量低下を来しやすく、将来の骨粗鬆症のリスクとなる 53–55)。一方
で、20 歳代以降は、女性も男性と同様に平均 BMI が増加し、肥満者(BMI≧25)の割合が増加し、や
せの者の割合が減少している。平均 BMI の増加は、高齢期において死亡率の低い BMI の範囲に移行
する望ましい変化の可能性もあるが、やせの体重増加は、サルコペニア肥満を招き、インスリン抵抗
性と関連する代謝異常 56)や高齢期の ADL 低下 57)の原因となる可能性もある。若年女性のやせは、出
生コホートへの影響 58)や小児から思春期における BMI の増加不良などにつながり、より早い年齢か
らの栄養状況の精査と対応が必要である。また、原因についても更に研究が必要である。

4 今後の課題
健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防の観点から、エネルギーの摂取量及び消費量のバランス
の維持を示す指標として、BMI を採用しているが、目標とする BMI の設定方法については、引き続
き検証が必要である。また、目標とする BMI に見合うエネルギー摂取量についての考え方、健康の保
持・増進、生活習慣病の発症予防の観点からは、身体活動の増加も望まれる。望ましいエネルギー消
費量についての考え方についても、整理を進めていく必要がある。

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