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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (416 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2 高血圧と特に関連の深いエネルギー・栄養素
栄養素等摂取と高血圧との関連について、特に重要なものを図2に示す。

(++)
ナトリウム(食塩)
(ー)

(ー)

カリウム
(+)
アルコール
高血圧
炭水化物
(+)
脂質

エネルギー

(++)
肥満

たんぱく質

肥満を介する経路と介さない経路がある。
アルコールが肥満を介して血圧を上昇させる機序は不確定であることから、アルコールと
エネルギーの関係については破線を用いている。
この図はあくまでも概要を理解するための概念図として用いるに留めるべきである。

図2 エネルギー・栄養素摂取と高血圧との関連(特に重要なもの)

2-1 ナトリウム(食塩)
ナトリウム(食塩)の過剰摂取が血圧上昇と関連があることは、多くの研究によって明らかにされ
てきた。大阪・栃木・富山を含む世界の 52 地域より得られたデータを集めた疫学研究である
INTERSALT3)では、各地域の食塩摂取量の中央値と加齢による血圧上昇度の中央値が正の相関を示し
た。また、個人での食塩摂取量と血圧値に正の相関があることも示し、ナトリウム摂取量を 100 mmol
(食塩相当量 5.8g)減らすことにより、血圧は平均 3.5/1.5 mmHg 低下すると推定した 4)。減塩の降圧
効果を検討した大規模臨床試験で、有意な血圧低下(又はそれに匹敵する効果)は、いずれも 6 g/日
前半又はそれ未満の減塩で認められた 5–8)。最近報告された CARDIA9)では、クロスオーバー法により
ナトリウム摂取量と血圧変化について検討がなされた。高食塩食と低食塩食に割り付けられた対象者
の収縮期血圧の差は 8 mmHg であった。中等度の減塩の降圧効果を調べた介入試験のメタ・アナリシ
スでは、高血圧者において 4.4 g の減塩により、血圧は 4.2/2.1 mmHg 低下したと報告された 10)。また、
世界の 103 の無作為割付比較試験のメタ・アナリシスにおいて、2.3 g の減塩が 3.8 mmHg の収縮期血
圧低下の効果があることが示された 11)。これらより、食塩摂取量を 1 g/日減らすと、収縮期血圧で約 1
mmHg 強の降圧が期待できる。さらに、133 の介入試験のメタ・アナリシスにおいて、減塩によって
達成される血圧低下の大きさは、ほぼ直線的関係であることが示された 12)。これらの介入試験 5–8)の
結果が、これまでの各国の高血圧治療ガイドラインの減塩目標レベルが 6 g/日を下回っている根拠と
なっており 2)、「高血圧治療ガイドライン 2019」1)及び「エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン
2023」13)でも、高血圧者や慢性腎臓病患者の減塩目標を食塩 6 g/日未満としている。しかし DASHSodium8)において食塩 3.8 g/日で安全に降圧が達成されたことから、2005 年以降のアメリカ心臓協会
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