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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (308 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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場合や鉄の要求性が高い場合、その吸収率はヘム鉄を上回ると考えられる 1,3)。したがって、食事から
の鉄の摂取において、摂取源としてヘム鉄の多い動物性食品を優先する必要はなく、大半が非ヘム鉄
である植物性食品も積極的に利用すべきである。
胃腸症状を除き、鉄の過剰摂取と健康障害との定量的な関係が明確でないため、いずれの年齢層に
おいても耐容上限量の設定を見合わせた。しかし、鉄貧血の治療等の場合を除いて、推奨量を大きく
超える鉄の補給は、合理性がなく、健康障害を生じる可能性がある。また、鉄欠乏でない人が鉄の摂
取量を増やしても貧血の予防にはつながらない。鉄欠乏又は鉄欠乏性貧血の場合の鉄補給は必要であ
るが、医師の指示に従って実施するものであり、個人の判断でサプリメント等を用いて鉄補給を行う
ことは控えるべきである。

6 今後の課題
妊娠中期・後期における鉄の推定平均必要量と推奨量は、要因加算法に基づくとそれぞれ 12.5 mg/
日と 14.0 mg/日になる。要因加算法は各要因の誤差により、数値が過大に算出され得ることから、特
に今回示した妊娠に伴う付加量の妥当性については、妊婦の鉄摂取量と妊娠貧血の有病率との関連に
関する疫学的な検討も行う必要がある。
また、鉄の耐容上限量及び目標量の設定に必要なデータの収集が必要である。

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