「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (270 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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十分なカルシウム摂取量は骨量の維持に必要であり、骨量の維持によって骨折の発症予防が期待さ
れる 114)。しかしながら、前述のように、カルシウムの摂取量と骨折との関連を検討した疫学研究は
多数存在するものの、その結果は必ずしも一致していない。なお、カルシウム摂取と骨粗鬆症の発症
及び重症化の関係の詳細については、『Ⅱ 各論、3 生活習慣病及び生活機能の維持・向上に係る疾患
等とエネルギー・栄養素との関連、(5) 骨粗鬆症』の項を参照されたい。
3-3-3 目標量の策定方法
以上から、目標量を設定する根拠が不十分であるため、目標量は設定しなかった。
4 生活習慣病の重症化予防
カルシウムと生活習慣病の関連については、前述したとおり、高血圧、脂質異常症、糖尿病、及び
慢性腎臓病とは特に強い関連は認められていない。したがって、重症化予防のための量は設定しなか
った。
5 フレイルの予防
カルシウムは、骨の健康を通して、フレイルに関係すると考えられる。これまでに述べたように、
カルシウムの摂取量と骨粗鬆症、骨折との関連を検討した疫学研究は多数存在するものの、その結果
は必ずしも一致していない。現在の要因加算法による必要量の算出方法は、高齢者では骨量の維持を
考慮したものとはなっておらず、現時点でフレイル予防のための量を設定するには、科学的根拠が不
足している。
6 今後の課題
小児について、我が国の摂取レベルでのカルシウムの骨形成や骨折等への影響を見た研究は少なく、
今後の検討が必要である。
また、高齢者については、カルシウム摂取量とフレイル予防との関連を検討した研究も少なく、研
究の蓄積と研究結果の検討が望まれる。
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