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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (156 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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3 生活習慣病の発症予防及び重症化予防
たんぱく質、脂質、炭水化物の各項を参照されたい。

4 目標量の策定方法
4-1 基本的な考え方
エネルギー産生栄養素バランスそのものが、生活習慣病の発症予防やその重症化予防に直接かつ深
く関与しているだけでなく、むしろ、脂質の構成成分である個々の脂肪酸(特に飽和脂肪酸)、炭水
化物の一部である食物繊維、たんぱく質の摂取源などの方が直接かつ深く関与している場合が多い可
能性がある。飽和脂肪酸は脂質に含まれ、食物繊維は炭水化物に含まれるため、これらも考慮してエ
ネルギー産生栄養素バランスを算定しなければならない。
そこで、基本的に次の順序で算定を行った。初めにたんぱく質の目標量(範囲)を算定した。続い
て、飽和脂肪酸の目標量(上限)を算定した。飽和脂肪酸の目標量(上限)を主に参照して脂質の目
標量(上限)を算定した。また、必須脂肪酸(n-6 系脂肪酸及び n-3 系脂肪酸)の目安量を参照して脂
質の目標量(下限)を算定した。これらの合計摂取量の残りとして、炭水化物の目標量(範囲)を算
定した。
ただし、それぞれの栄養素の範囲については、おおむねの値を示したものである。したがって、エ
ネルギー及び他の栄養素の摂取量に十分に配慮し、それぞれの状況に応じたエネルギー産生栄養素の
バランスを考慮すべきである。

4-2 策定方法
たんぱく質、脂質、炭水化物の各項を参照されたい。

4-3 アルコール
人が摂取するアルコールは、エタノールである。アルコールはエネルギーを産生するため、アルコ
ールを摂取する場合には、エネルギー産生栄養素バランスを算出する上でアルコールを含める必要が
あるものの、アルコールは人にとって必須の栄養素ではない。このため、アルコールはエネルギーを
産生する物質の 1 つとして本章に記載するが、単独での指標の算定は行わない。アルコールを摂取す
る場合、たんぱく質、脂質の目標量を算定した残りとして、炭水化物とアルコールが計算上算出され
ることとなる。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。アルコールの生活習慣病等健康影
響については、生活習慣病等とエネルギー・栄養素との関連の章及び厚生労働省が作成した「健康に
配慮した飲酒に関するガイドライン」を参照されたい。

5 活用上の注意
エネルギー産生栄養素バランスを食事改善などで活用する場合には、特に次の 3 点に注意すべきで
ある。


基準とした値の幅の両端は明確な境界を示すものではない。特に、使用する食品成分表が異な
ることで得られるエネルギー産生栄養素バランスに違いが生じる可能性がある。このことを十
分に理解して柔軟に用いるべきである。また、各栄養素の範囲の下端や上端を合計しても 100%
にならないことにも注意すべきである。

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