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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (364 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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しかしながら、前述のようにこれらには無視できない過小申告が存在するため、これらから得られた
水の摂取量の利用には注意を要する。さらに、ひとつの調査法(例えば食事記録法)であっても、具
体的な調査法の違いが摂取量の違いに大きな影響を与えると想像されるため、これらの利用と結果の
解釈には細心の注意が求められる(表1)5,6)。
表1 水の摂取量(集団代表値)を報告した国内外の代表的な研究例
男性



調査

年齢
(歳)

女性

対象

水の摂取量

液体から

固体から

対象

水の摂取量

液体から

人数

(平均値、

の水の摂

の水の摂

人数

(平均値、

の水の摂

固体から
の水の摂

(人)

mL/日)

取割合(%)

取割合(%)

(人)

mL/日)

取割合(%)

取割合(%)

15~19

559

2,735





491

2,228





20~29

710

2,654





779

2,206





30~39

1,207

2,718





1,350

2,339





40~49

1,581

2,742





1,819

2,339





50~59

1,486

2,699





1,777

2,345





60~69

2,307

2,597





2,641

2,294





70 以上

2,696

2,318





3,498

2,088





30~76

121

2,4231

50%

50%

121

2,0371

49%

51%

11~18

226

1,510

62%

38%

229

1,382

64%

36%

19~64

324

1,922

65%

35%

492

1,763

66%

34%

65 以上

102

1,929

59%

41%

144

1,921

61%

39%

11~18

445

1,588

72%

28%

439

1,348

72%

28%

19~64

710

2,415

76%

24%

945

2,060

75%

25%

65 以上

191

2,260

72%

28%

237

2,002

72%

28%

水の代謝回転量推定式からの推定値
2016 年国民健康・栄
養調査の対象者のデ
ータ 5)

食事記録法
日本(16 日間食事記
録法)6)
フランス(2013 年食
品消費・行動調査の
対象者のデータ)7)
イギリス(2008-2012
年全国食事栄養調査
の対象者のデータ)7)
1

摂取量の単位は g/日。女性の年齢上限は 69 歳。

4 目安量の策定
上述のとおり、二重標識水法で測定されたデータを用いて求められた水の代謝回転量(L/日)の推
定式を用いて、平成 28 年国民健康・栄養調査の参加者(15 歳以上)の水の摂取量(mL/日)を推定し
た結果は表1のとおりであり、年齢区分ごとの平均値は、男性が約 2,600~2,750 mL/日、女性が約 2,200
~2,350 mL/日の範囲にあった 5)。目安量はおそらくこの付近にあるものと考えられる。ここで用いら
れた推定式には身体活動レベルも独立変数として含まれているため、身体活動レベル別の推定も可能
である。しかしながら、日本の代表集団における水の代謝回転量を身体活動レベル別に報告した研究
はなく、また、その妥当性並びに利用時の注意点などに関する研究も十分ではない。また、小児につ
いては就学前児童の水の代謝回転量(L/日)の推定式を求める試みもある 16)。しかし、まだ研究の途
上であり、目安量を算定するためには十分な情報が整っていない。以上より、水の目安量は定めず、
本項は参考資料に留めることとした。

5 今後の課題
我が国において、様々な環境下にある集団を対象とした質の高い研究の増加が求められる。

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