「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
●エネルギーの指標
エネルギーについては、エネルギー摂取の過不足の回避を目的とする指標を設定する。
●栄養素の指標
栄養素の指標は、3 つの目的からなる 5 つの指標で構成する。具体的には、摂取不足の回避を目的
とする 3 種類の指標、過剰摂取による健康障害の回避を目的とする指標及び生活習慣病の発症予防を
目的とする指標から構成する(図2)。なお、食事摂取基準で扱う生活習慣病は、高血圧、脂質異常
症、糖尿病及び慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)を基本とするが、我が国において大きな健
康課題であり、栄養素との関連が明らかであるとともに栄養疫学的に十分な科学的根拠が存在する場
合には、その他の疾患も適宜含める。また、脳血管疾患及び虚血性心疾患は、生活習慣病の重症化に
伴って生じると考え、重症化予防の観点から扱うこととする。
摂取不足の回避を目的として、「推定平均必要量」(estimated average requirement:EAR)を設定す
る。推定平均必要量は、半数の者が必要量を満たす量である。推定平均必要量を補助する目的で「推
奨量」(recommended dietary allowance:RDA)を設定する。推奨量は、ほとんどの者が充足している
量である。
十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合は、
「目安量」
(adequate
intake:AI)を設定する。目安量は、一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂
取している場合は不足のリスクはほとんどない。
過剰摂取による健康障害の回避を目的として、「耐容上限量」(tolerable upper intake level:UL)を
設定する。十分な科学的根拠が得られない栄養素については設定しない。
一方、生活習慣病の発症予防を目的として食事摂取基準を設定する必要のある栄養素が存在する。
しかしながら、そのための方法論に関する議論はまだ十分ではない 2)。そこで、これらの栄養素に関
して、
「生活習慣病の発症予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量」として「目標量」
(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases:DG)を設定する。なお、生活習慣病の重
症化予防及びフレイル予防を目的として摂取量の基準を設定できる栄養素については、発症予防を目
的とした量(目標量)とは区別して示す。
<目的>
摂取不足の回避
<指標>
推定平均必要量、推奨量
*これらを推定できない場合の代替指標:目安量
過剰摂取による健康障害の回避
耐容上限量
生活習慣病の発症予防
目標量
※ 十分な科学的根拠がある栄養素については、上記の指標とは別に、生活習慣病
の重症化予防及びフレイル予防を目的とした量を設定
図2 栄養素の指標の目的と種類
2