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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (224 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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2 指標設定の基本的な考え方
パントテン酸欠乏症を実験的に再現できず、推定平均必要量を設定できないことから、摂取量の
値を用いて、目安量を設定した。

3 健康の保持・増進
3-1 欠乏の回避
3-1-1 目安量の策定方法
・成人(目安量)
成人(18~64 歳)の摂取量は、平成 30・令和元年国民健康・栄養調査の結果の中央値によると 4.7
~6.0 mg/日である。日本人の若い成人女性を対象とした食事調査では、平均値は 4.6 mg/日と報告さ
れている 124)。また、日本人の成人男女(32~76 歳)を対象とした食事調査においても、平均値で、
男性は 7 mg/日、女性は 6 mg/日であったと報告されている 125)。この摂取量で欠乏が出たという報告
はないため、性別及び年齢区分ごとの平成 30・令和元年国民健康・栄養調査の中央値を目安量とした。
・高齢者(目安量)
高齢者の必要量の算定に当たり、特別の配慮が必要であるというデータはないため、65 歳以上にお
いても平成 30・令和元年国民健康・栄養調査の中央値を目安量とした。
・乳児(目安量)
日本人の母乳中のパントテン酸の濃度として 5.0 mg/L を採用した 7,9)。
0~5 か月の乳児は、母乳中のパントテン酸濃度(5.0 mg/L)に基準哺乳量(0.78 L/日)10,11)を乗じる
と 3.9 mg/日となるため、丸め処理をして、4 mg/日を目安量とした。
6~11 か月児の目安量は、2 つの方法による外挿値の平均値とした。具体的には、0~5 か月児の目
安量及び 18~29 歳の目安量それぞれから 6~11 か月児の目安量算定の基準となる値を算出した。次
に、男女ごとに求めた値を平均し、男女同一の値とした後、丸め処理を行って 3 mg/日を男女共通の
目安量とした。なお、外挿はそれぞれ以下の方法で行った。
・0~5 か月児の目安量からの外挿
(0~5 か月児の目安量)×(6~11 か月児の参照体重/0~5 か月児の参照体重)0.75
・18~29 歳の目安量からの外挿
(18~29 歳の目安量)×(6~11 か月児の参照体重/18~29 歳の参照体重)0.75×
(1+成長因子)
・小児(目安量)
性別及び年齢階級ごとの平成 30・令和元年国民健康・栄養調査の中央値を目安量とした。ただし、
11 歳以下の各年齢階級において男女の体格に明らかな差はないことから、男女の平均値を目安量に
用いた。
・妊婦(目安量)
妊婦のパントテン酸の摂取量は、日本人の報告データ 84)を再計算すると、平均値 ± 標準偏差が 5.5
± 1.3 mg/日、中央値が 5.3 mg/日となる。この中央値を丸めた 5 mg/日を妊婦の目安量とした。
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