「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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行うのが、調理損耗を考慮する 1 つの方法である。ただし、栄養素の調理損耗の程度は調理条件によ
り大きく異なるため、栄養素の摂取量や給与量を計算して食事摂取基準との比較を行う場合には、慎
重に対応することが望ましい。各種調理条件における栄養素の調理損耗に関する網羅的なデータの集
積が期待される。
表 15 食事摂取基準と日本食品標準成分表 2020 年版(八訂)で定義が異なる栄養素とその内容
定義
栄養素
ビタミンE
食事摂取基準
日本食品標準成分表
α- トコフェロールだ
けを用いている。
α-、β-、γ-及びδ-ト
コフェロール をそれぞ
れ報告している。
食事摂取基準の活用に際して
日本食品標準成分表を用いるときの留意点
α-トコフェロールだけを用いる。
4-3 指標別に見た活用上の留意点
各指標について活用上の留意点を記述する。ただし、活用の目的と栄養素の種類によって活用方法
は異なるため、活用の目的、指標の定義、栄養素の特性を十分に理解することが重要である。
●エネルギー収支バランス
エネルギーについては、エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の
維持を示す指標として提示した BMI を用いることとする。実際には、エネルギー摂取の過不足につ
いて体重の変化を測定することで評価する。また、測定された BMI が、目標とする BMI の範囲を下
回っていれば「不足」、上回っていれば「過剰」のおそれがないか、他の要因も含めて総合的に判断
する。生活習慣病等の発症予防の観点からは、体重管理の基本的な考え方や、各年齢階級の望ましい
BMI(体重)の範囲を踏まえて個人の特性を重視し、対応することが望まれる。また、重症化予防の
観点からは、体重の減少率と健康状態の改善状況を評価しつつ、調整していくことが望まれる。
●推定平均必要量
推定平均必要量は、個人では不足の確率が 50%であり、集団では半数の対象者で不足が生じると推
定される摂取量であることから、この値を下回って摂取することや、この値を下回っている対象者が
多くいる場合は問題が大きいと考える。しかし、その問題の大きさの程度は栄養素によって異なるた
め、推定平均必要量が以下の 3 つの方法のいずれを用いて算出されたかに注意を払う必要がある。具
体的には問題の大きさは、おおむね次の順序となる(冒頭の記号は、表4で用いた記号に対応してい
る)。
・a 集団内の半数の者に不足又は欠乏の症状が現れ得る摂取量をもって推定平均必要量とした栄養
素:問題が最も大きい。
・b 集団内の半数の者で体内量が維持される摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素:問題が次
に大きい。
・c 集団内の半数の者で体内量が飽和している摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素:問題が
最も小さい。
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