よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (1282 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00052.html
出典情報 第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(10/7)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

CH50: 60 IU/ml; Urinary occult blood: 3+; Urine
protein/creatinine: 0.10 g/g; WBC: 15100/mm3; White blood
cells: 5-9/high power field. C-reactive protein (CRP)は 陽性で
あった。尿中に微量蛋白と変形赤血球(RBC)を伴う顕微鏡的血尿が認
められた。皮膚生検では、IgA 沈着を伴う血管周囲の白血球破砕の好
中球浸潤を認め、これは IgAV と適合した。しかし、PR-3 ANCA と抗カ
ルジオリピン IgG 力価は上昇であった。胸部および副鼻腔のコンピュ
ータ断層撮影では、多発性血管炎を伴う肉芽腫症や肺出血を示唆する
病変を認めなかった。腎炎症候群の評価のため腎生検を予定した。ワ
クチン接種後 10 日から下痢が始まった。ワクチン接種後 14 日、深呼
吸時の胸痛を訴え救急外来を受診した。心電図では、正常洞調律で、
リード I、II、aVF、および V2-6 に ST 上昇を認め急性心膜炎が示唆さ
れ入院となった。

小児喘息とアトピー性皮膚炎の既往があり、過去 3 年持続的かつ反復
的な下痢と腹痛が時々みられた。大腸内視鏡検査はせず過敏性腸症候
群と診断され、ラモセトロン塩酸塩が処方された。COVID-19 の感染歴
はなかった。身体所見では、意識清明、体温摂氏 37.3 度、血圧
95/43mmHg、心拍数 111/min であった。ワクチン接種後 15 日にすべて
の発疹が完治した。その他の身体所見に特筆すべき点はなかった。
COVID-19 の PCR 検査は陰性であった。トロポニン T は正常であった。
胸部 X 線では急性心肺の変化は認められなかった。心エコー検査で
は、駆出率は 61%と正常であり、局所壁運動変化や心嚢液貯留はみられ
なかった。COVID-19 ワクチン接種後の心膜炎と仮診断し、ロキソプロ
フェンナトリウム水和物とコルヒチンで治療した。胸痛は完全には消
失せず、胸痛出現 3 日後からプレドニゾロン 30mg/day の経口投与を開
始した。同日、糸球体血尿が正常化したことが確認された。胸痛は副
腎皮質ステロイド投与後すぐに消失した。エコーウイルス、インフル
エンザウイルス A と B 型、コクサッキーウイルス A と B 群、ヒト免疫
不全ウイルスなどの一般的な心膜炎の原因ウイルスに対する血清検査
は陰性であった。

また、軽度の腹痛と下痢を訴えたが、副腎皮質ステロイド治療 3 日後
に軽快した。

食道・胃・十二指腸内視鏡検査では、胃に良性のびらんを認め、生検
標本には血管炎の所見はなかった。

大腸内視鏡検査では上行結腸、横行結腸、S 状結腸に非特異的な大腸炎
が認められ、炎症性腸疾患や感染性大腸炎が疑われた。

大腸生検では、上行結腸および横行結腸に軽度から重度の炎症性細胞

1282