資料1-2-3-1 薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (749 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00052.html |
出典情報 | 第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(10/7)《厚生労働省》 |
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(図 1 A;PAS)。
免疫蛍光顕微鏡検査では、メサンギウム病変に IgA(図 1 B)および
C3c(図 1C)の沈着を認めた。
電子顕微鏡検査ではメサンギウム領域に高電子密度の沈着物が認めら
れた(図 1D)。IgA 腎症と診断された。
Oxford MEST-C スコア分類は M0E0S0T0C0 であった。
結果:
本症例の尿検査異常から COVID-19 ワクチン接種後の IgA 腎症増悪が示
唆された。
本症例では、肉眼的血尿が IgA 腎症診断のきっかけとなった。
IgA 腎症は典型的に、上気道感染によって進行し、COVID-19 疾患は気
管支粘膜における IgA 応答を誘発することが報告されている。
本症例は発症前に健康であったため、粘膜免疫検査後の IgA 腎症の増
悪は予想していなかった。
IgA 腎症はワクチン接種でも再発することが報告されている。
本症例の顕微鏡的血尿の既往歴は、他の報告症例で指摘されているよ
うに、COVID-19 ワクチン接種に対する免疫応答により既存の IgA 腎症
が活性化するとの問題を裏付けるものである。COVID-19 ワクチン接種
後まもなく肉眼的血尿の発現は、IgA1 の増強した抗グリカン免疫応答
によると考えられるサイトカインを介する全身再燃を示している可能
性がある。
一方、SARS-CoV-2 に対する過去の曝露が不明であっても 2 回目の
COVID-19 ワクチン接種後の IgA 腎症再燃についても、細胞性免疫反応
を介した遅延型過敏症反応によるものであるとの示唆が報告されてい
る。
自験例として報告した肉眼的血尿はすべて、2 回目の COVID-19 ワクチ
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