よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (1058 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

静脈血栓塞栓症を生じた症例を経験したため報告する。本症例報告は
患者からの文書での同意を得ている。

患者は 48 歳女性、BMI 26.1kg/m2 であった。併存疾患として月経困
難症があり、10 年以上前から経口ピル(ノルエチステロン/エチニル
エストラジオール配合剤)を内服していた。

2021 年、1 回目の COVID-19 ワクチンを接種した(1 日目)。3 日目、
左下肢痛が出現したが、自然寛解したため受診はしなかった。

22 日目、2 回目の COVID-19 ワクチンを接種した。

その後、下肢痛や息切れが出現したため当院を受診し、静脈血栓塞栓
症の診断で入院となった(45 日目)。

入院後は経口ピルの服用を中止し、ヘパリンの静注を開始した。

55 日目、その後アピキサバンの内服に治療は移行した。

57 日目、患者は D-ダイマーの数値が改善したため、退院した。

152 日目の外来診療時の CT 画像で、血栓の消失が確認された。

252 日目、アピキサバンの内服は終了した。

考察:本症例は、COVID-19 ワクチン 1 回目接種後に下肢痛を認め自
然軽快し、COVID-19 ワクチン 2 回目接種後静脈血栓塞栓症に至った
臨床経過が注目すべき点であると考える。本症例における Naranjo ス
ケールを評価した結果、経口ピル 0 点、COVID-19 ワクチン 7 点であ
った。そのため、静脈血栓塞栓症の原因は COVID-19 ワクチンの可能
性が高く、経口ピルの寄与度は低いと結論づけた。本症例より
COVID-19 ワクチン接種後の副反応は、接種回数にかかわらず患者へ
重篤な危険が及ぶ可能性が示唆された。今後 COVID-19 ワクチンを接
種する回数が増えていくことが予想されるため、これまでのワクチン
接種後の副反応の既往や症状を詳細に確認する必要があると考える。

1058